リ・カレント株式会社は2022年9月29日「2022年度最新若手意識調査」の結果を発表した。調査は2022年5月に行われ、東京都在住の20代若手社員1,300名から回答を得た。調査から、若手社員の仕事観やキャリア観、働き方のスタイルなどが明らかとなった。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」

「自身の仕事観」を持っていると答えた人は5割未満

社会のDX化や新型コロナウイルス感染症拡大などを受けて、人々の働き方が大きく変容するなか、20代の若手社員は働くことにどのようなスタンスを持っているのだろうか。まず、リ・カレントは「自分の“仕事観”(働く目的・譲れないもの・価値観)を持っているか」を尋ねた。すると、「明確な形で持っている」が11.2%、「語れるほどではないが、持っている」が36%で、「仕事観を持っている」とする回答の合計は47.2%だった。一方、「持っていない」は24.9%、「考えたことはあるが固まっていない」は28%で、「仕事観が定まっていない」と答えた人は合計で52.9%となった。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」

約3割が“仕事観が形成されたきっかけ”は「実際に働く経験を通して」と回答

また同社は、「仕事観を持っている」と回答した人に「どのようなきっかけで仕事観を持ったか」を尋ねた。すると、「実際に働く経験(アルバイト・インターンなどを含む)を通して」が28.6%で最も多くなった。以下、「身近な人(家族・友人・先輩など)との会話・コミュニケーション」が22.2%、「人生を大きく変えた出来事(病気・転居など)」が9.4%、「尊敬する人・著名人からの影響」が8.5%、「大学や教育機関での学び・研究」が7.3%と続いた。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」

「失敗は気になるがやりながら学ぶ」という姿勢を持つ人が最も多い

続いて同社は、若手の仕事のスタイルや職場に求めるものを探るべく、「新しい環境(入社・転職・転勤・部署異動など)での業務において、自身の仕事のスタイルとして最も近いもの」を尋ねた。すると、「失敗は気になるがやりながら学ぶ」が42.8%で最多だった。以下、「失敗しないよう周囲や上司に確認しながら業務を行う」が31.8%、「失敗は気にせずまずはやってみる」が13.8%、「まずは上司・先輩の指示のもとで動く」が11.6%となった。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」

「キャリア観において譲れない価値観」を持つ人は少数派

さらに同社は、「自身のキャリア観(中・長期的にどのように働くか)において、譲れない価値観を持っているか」を尋ねた。すると、「明確な形で持っている」が9.1%、「語れるほどではないが持っている」が30.8%で、「持っている」との回答の合計は39.9%だった。一方で、「持っていない」は28.1%、「考えたことはあるが固まっていない」は31.9%で、合計が60%と過半数を占めた。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」

若手のキャリア意識醸成には「ロールモデルとなる上司・先輩社員」が必要か

最後に、「キャリア観を持っていない/固まっていない」と回答した人に「その理由」を尋ねると、「キャリアとは何かそもそもよくわからない」が40.2%で最も多かった。以下、「自身にとってのキャリア観を考える機会がない」が26.7%、「環境がすぐ変化するため、中長期的なキャリア観を考えることに意味を感じていない」が23.4%、「周囲にロールモデルとなる人がいない」が21.4%だった。
“仕事観”が定まっていない20代は半数超に。キャリアの軸を形成するカギは「経験の積み上げ」と「ロールモデルの存在」
本調査では、20代の若手社員で、仕事観やキャリア観を持ちながら働いている人は半数未満であることが明らかとなった。一方で、仕事に対しては「まずはやってみる」という意識を持つ人も多かった。若手社員のこうした特徴を踏まえつつ、企業側は学びの機会を確保し、先輩社員や上司との交流機会を増やせるように支援していきたい。

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