株式会社ジェイックは2025年7月15日、20代の正社員を対象に実施した「教育訓練給付制度」に関する認知度調査の結果を発表した。調査期間は2025年1月28日~5月13日で、133人から回答を得ている。調査結果から、若手社員における同制度の認知度と利用意向、企業に求められるサポートなどが明らかになった。


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20代の「教育訓練給付制度」認知度は2割未満も、周知による効果アリか。“学習環境の整備”がスキルアップ支援のカギに

20代正社員における「教育訓練給付制度」の認知度は2割未満に

リスキリングやスキルアップが注目される現代において、働く個人の学び直し意欲は高まっている。しかし、国の支援制度である「教育訓練給付制度」の存在は、若手社員に十分に届いているのだろうか。

はじめにジェイックは、「教育訓練給付制度を知っていたか?」と尋ねた。その結果、「いいえ」が80.5%、「はい」が19.5%となり、同制度の認知度が2割に満たない実態が明らかになった。

あわせて、教育訓練給付制度を「知っている」とした人に対し、「利用したことがあるか?」と質問したところ、「いいえ」が84.6%、「はい」が15.4%となった。制度を認知していても、現状はなかなか実際の活用に結びついていないようだ。
教育訓練給付制度を知っていたか?

「教育訓練給付制度」の理解によって利用意向は強まる?

次に同社は、教育訓練給付制度を「知らない」とした人に対し、制度の概要を説明した上で、「今後、教育訓練給付制度を利用したいと思うか?」と尋ねた。すると、「はい」が77.6%、「いいえ」が22.4%となり、制度を理解することで利用意向が大きく強まる様子がうかがえた。
今後、教育訓練給付制度を利用したいと思うか?

教育訓練給付制度を利用したい理由は「現職で活かすためのスキルアップ」など

続いて、「教育訓練給付制度を知らない」とした人のうち、「今後、利用したい」とした人に、「利用したい理由」を尋ねている。その結果、「現職で活かすためのスキルアップ(知識習得・資格取得など)」が81.9%、「新たな学びを始めることで、社内外での評価を上げたい」が47%、「転職で活かすためのスキルアップ(知識習得・資格取得など)」が33.7%、「趣味として利用したい」が18.1%となった。

一方、「今後も利用したいと思わない」とした人に、そう思う理由フリーコメントで尋ねたところ、「今は仕事に集中したいから」、「時間に余裕がないから」、「部署を異動したばかりで、他の何かを勉強する余裕がないから」、「必要性を特に感じないから」、「興味がないから」、「手続きなどがわからないから」などの声が寄せられたという。
教育訓練給付制度を利用したい理由

企業に求めるサポートは“情報提供”や“学習環境の整備”

最後に、全員に対し「教育訓練給付制度を利用する際、職場からどのようなサポートが得られると嬉しいか?」と尋ねると、最多となったのは「制度に関する情報提供や周知」で52.6%だった。以下、「勉強時間を確保するための、柔軟な勤務時間や休暇取得への配慮」が51.1%、「上司や人事からの利用推奨」が42.9%、「給付制度の適用外となる部分の費用補助」が34.6%、「受講後のスキル活用の場の提供(スキルを活かせる業務への異動等)」が26.3%、「制度を利用した社員の体験談の共有」が19.5%で続いている。
教育訓練給付制度を利用する際、職場からどのようなサポートが得られると嬉しいか?
本調査結果では、企業が若手社員のスキルアップとキャリア形成を支援する上で、「教育訓練給付制度」の周知と利用促進、そして学習環境の整備が重要となることが示唆された。リスキリングやスキルアップへの意欲が高い20代社員に対して、企業は同制度のような公的支援制度の情報を積極的に提供すべきだろう。同時に、業務と学習を両立できるような時間確保の配慮や、学びを活かせる機会の提供を通じて、社員の自律的な成長を強力に後押しすることが、結果として企業の競争力強化に繋がるのではないだろうか。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000360.000060461.html


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