
半数以上の中小企業でITシステムの導入を意欲的に進めたい構え
中小企業では、どの程度ITシステムの導入が進んでいるのだろうか。はじめに、中小企業の経営者450名に、「ITシステムの導入意欲」について尋ねた。すると、「積極的に導入」が19.3%、「必要になったら導入」が34.9%となり、導入に前向きな企業が計54.2%と約半数を占めた。なお、この結果は「都市圏(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府)」と「その他の地域」で同じ傾向を示している。
特にITシステム導入率が高い領域は「コラボレーション」や「人事・労務」
次に、社内で「ITシステム導入率が高い領域」について尋ねると、最も多かったのは「表計算・グラフ作成」(61.4%)だった。次いで「給与計算」(56.7%)、「グループウェア・メール」(52.4%)という結果に。主に集計業務や情報共有の効率化をはかるコラボレーションツールや、人事・労務管理を目的としたITシステムの導入率が高いことが判明した。
WEB・オンライン会議システムの導入率は従業員規模に比例して高まる
また、「WEB会議やオンライン会議でのシステム導入率」を尋ねると、「導入している」との回答が、従業員数「10人未満」の企業では21.2%なのに対し、「100~300人未満」の企業では63.4%という結果に。従業員規模が大きいほど、導入率が高くなる傾向にあるとわかった。
約4割がコロナ禍でリモートワークを実施。うち約半数が新たにITシステムを導入・検討
続いて、「コロナ禍でのリモートワーク実施状況とITシステムの活用」について尋ねた。まず、リモートワークの実施状況については「リモートワークを実施し、新たにITシステムを導入した」(9.4%)、「リモートワークを実施し、新たにITシステムを導入検討している」(9.2%)、「リモートワークを実施したが、新たにITシステム導入・検討しなかった」(20.2%)となり、実施している企業は計38.8%となった。

重要視するのはITシステム同士の「連携しやすさ」
最後に、「ITシステム選定時に重要視すること」を尋ねた。その結果、「他システムとの連携のしやすさ」との回答が、リモートワークを実施した企業が17.8%だったのに対し、リモートワークを実施しなかった企業では10.6%と、多少の開きがあった。さらに「クラウドシステム」という回答は、リモートワークの実施企業では15.5%だったが、未実施企業では4.6%と、大きく数字を下げた。リモートワークを実施している企業ほど、「ITシステム同士の連携がしやすいか」と、「インターネット環境を介し、外部からもさまざまなデバイスからアクセスできるクラウド型のシステムであるか」を重要視しているようだ。