株式会社SmartHRは2022年12月22日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社との共同調査として実施した「デジタルHRサーベイ2022」の結果を発表した。調査期間は2022年6月13日~8月12日で、連結従業員数1,000名以上の企業63社から回答を得た。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大前の前回調査(2019年)と比較したデジタル化の進度や課題の変化が明らかとなった。
“人事のデジタル化”はコロナ禍前より進展か。企業の「業務自動化」や「タレントマネジメントシステム」などの活用状況とは

デジタル化が進む企業は2019年と比較し増加傾向に

グローバル化やAI等のテクノロジーの急激な進展によって事業競争が激化する中で、企業が持続的に成長するためには、IT化による業務の効率化やデータを活用した最適配置といった「デジタル化した科学的な人事運営(デジタルHR)」が求められている。新型コロナウイルス感染症拡大前(2019年)と調査時点(2022年)を比較して、企業におけるデジタルHRはどの程度進んだのだろうか。

まずSmartHRは、「デジタル化実施状況」について尋ねた。すると、「人事業務の自動化」、「人事のデータ活用」、「タレントマネジメントシステムの活用」の全テーマで実施している企業は22.2%で、2019年(6.9%)の3倍以上となった。

一方で、「全テーマで未実施」の企業は28.6%だった。前回調査の2019年(38.5%)より約10ポイント減少したものの、デジタルHRのいずれのテーマもデジタル化していない企業が約3割あることがわかった。
企業のデジタル化実施状況

半数が「人事業務の自動化」を実施

続いて、同社が「人事業務の自動化の検討・実施状況」について質問した。その結果、「ほぼ全領域で実施」が3.2%、「特定の領域でのみ実施」が47.6%で、人事業務を自動化している企業が50.8%となった。2019年(29.5%)と比較すると、21.3ポイント増加した。
企業の人事業務の自動化の検討・実施状況

「人事業務におけるデータ活用」を実施しているのは約半数に

次に、「企業の人事業務におけるデータ活用の検討・実施状況」を同社が尋ねると、「ほぼ全領域」(3.2%)および「特定の領域」(44.4%)で計47.6%がデータ活用を実施していることが明らかとなった。2019年では「データ活用の検討の予定もない」との企業が7.8%あったのに対し、2022年は0%となり、各企業でデータ活用が進んでいることがうかがえる。
企業の人事業務におけるデータ活用の検討・実施状況

4割以上が「タレントマネジメントシステム」を導入済み

次に、同社が「タレントマネジメントシステムの検討・実施状況」について聞くと、「導入済み」が44.4%で、2019年(21.7%)の約2倍に増えた。
タレントマネジメントシステムの検討・実施状況

2019年と比較し「計画的な人事育成」に課題感が増す。新たな人事課題も

最後に、同社は「企業で現在(調査時点)、検討・議論されている人事課題」について尋ね、さらに2019年の調査と比較して顕著な増加(10ポイント以上)が見られた項目を示した。すると、「計画的な人材育成」(+15.6ポイント)、「適切な代謝の促進」(+15.2ポイント)、「理念の浸透/組織風土・文化の見直し」(+10.4ポイント)となった。

今回の調査で新設した選択肢の中では、「人事戦略の策定」(77.8%)および「人的資本情報の測定・開示」(65.1%)も多く回答されており、企業が新たな人事課題のテーマとして抱えていることがうかがえる。
企業で現在(調査時点)、検討・議論されている人事課題
コロナ禍前の2019年と比較し、人事領域におけるデジタル化が進んでいることがわかった。人的資本情報の測定・開示の必要性が高まる中で、自社の人的資本情報をタイムリーに把握する仕組みが必要となり、人事のデジタル化はさらに重要度を増していくと考えられる。デジタルHRの推進を目指す企業では、自社で可能な領域から始めてみてはいかがだろうか。

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