「女性活躍推進法」において、労働者数101人以上の企業に義務付けられているものの1つが「一般事業主行動計画」の策定です。社内の現状分析をして計画を策定すれば法的義務は達成できるかもしれませんが、本来のゴールは計画を策定することではなく“社内の女性活躍推進”です。そこで今回は、女性活躍推進を定着させるための施策を紹介します。一般事業主行動計画で定める「取組内容」としても参考になれば幸いです。
【女性活躍推進法ガイド・3】計画策定がゴールではない! 「女性活躍推進」を定着させる策とは?

「女性活躍推進」を定着させる柔軟な働き方との両立支援策

“男性も育児参加をするのが当たり前”との考え方も広まってきてはいますが、それでも育児・介護等と仕事の両立は女性活躍の観点で無視することはできません。一般事業主行動計画で定めるべき目標で「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境整備」が1つの分野になっていることからも、ワークライフバランスの実現が女性活躍に不可欠ということが読み取れます。

以下で紹介する制度は、女性に限らず、ワークライフバランスの実現に効果的です。制度を導入するだけでなく、制度の利用状況の把握や利用促進を併せて行うことで、より使われる制度となっていきます。

●フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、始業と就業の時刻を従業員が日々決められる制度です。1ヵ月など、決まった期間の所定労働時間を決めておき、その内訳は従業員に任せることになります。業務量や家庭の事情等により始業と終業の時刻を柔軟に決められるので、ワークライフバランスの実現がしやすくなります。

●時間単位の年次有給休暇

「年次有給休暇は1日あるいは半日単位での取得」という企業がまだ多数を占めていますが、1時間単位で取得できるような制度も導入可能です。1時間だけ中抜けをする、2時間だけ早く帰る等が休暇取得という形で実現できるようになります。

●在宅勤務

在宅勤務もワークライフバランスを実現させやすい制度です。通勤がなくなるため子どもの急なお迎え等にも対応しやすいですし、子どもや介護をしている家族を家で1人にさせられない等の事情にも対応できます。2025年4月に施行された「育児・介護休業法」でも、全企業に対して育児と介護と仕事の両立支援のためのテレワークが努力義務化されています。

効果的な「女性のキャリア開発支援策」とは

ジェンダーギャップ指数等でも日本が著しく低いとされているのが、「管理職に占める女性労働者の割合」です。また、女性は非正規雇用の割合も男性より多いというデータもあります。「時短勤務というだけで評価が下がる」、「育休取得によるブランクで出世がしにくい」等、家庭か仕事かの二択を迫られるような環境が未だに存在しています。

以下で紹介する制度は、女性のキャリア開発支援策の一例です。

●評価制度の見直し

特に時短勤務の従業員では、「時短勤務のためどれだけ頑張っても一律で評価が8割にされる」等、正当に評価されないことを理由に離職していく方も一定数います。労働時間を評価に反映させるのも1つの方法ではあり、決して間違いではありません。

ただ、近年では多様な働き方が増えていることも相まって、成果に対する工数(業務の効率)や貢献度を評価に加味する制度を採用している企業も増加傾向にあります。例えば、「時短勤務の従業員と残業時間月40時間の従業員が同じ営業成績を達成していたとしたら、時短勤務の従業員の方を評価しましょう」のような考え方です。多様な働き方に合わせた評価制度へと見直すことで、従業員のモチベーションを向上させることができます。

●管理職養成のための施策

管理職の女性割合を増やすため、管理職候補の従業員に対して養成研修を実施する、管理職の補佐役に登用して管理職業務をOJTのように学ばせる等も施策の1つです。併せて、キャリアプランの面談や課題のヒアリングを実施するのも良いでしょう。

●非正規社員のキャリアアップ施策

非正規社員に対し、キャリアアップや待遇向上を行うことも女性活躍推進に繋がります。例えば、正社員への転換制度を見直すことで従業員側が手を上げやすい制度にする、非正規社員向けのキャリアアップ研修を行う等です。法改正により「同一労働同一賃金」の対応も開始していますが、正社員との賃金差や待遇差を縮めていく取り組みも施策の1つでしょう。

●ロールモデルの共有

管理職や正社員転換は、ロールモデルが共有されると自分のキャリアプランの参考にもなり、モチベーションの向上も期待できます。社内報等で取り上げる、座談会やランチ会を実施する、ロールモデルとなる方と同じチームに配属する等、自身がキャリアアップしていくイメージが掴める施策を同時に行うとより良いでしょう。



いかがでしたか。今回は「女性活躍推進法」がテーマのため、あえて「女性」を切り口にしていますが、紹介した施策は性別年齢関係なく、従業員の働きやすさや社内での活躍を支援できるものです。あくまで「女性活躍推進法」は1つのきっかけとして、従業員が個人の事情に合わせて仕事で活躍できる風土を作っていただければ嬉しく思います。
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