うつ病は子どもから高齢者まで世代を問わずに発症する病気です。およそ10~15人に1人は生涯のうちにうつ病を経験すると考えられており、きわめて発病頻度の高い病気といえます。そしてひと言でうつ病と言っても症状は人それぞれです。
医師のうつ病治療とカウンセリングやリワークの違い
 うつ病は子どもから高齢者まで世代を問わずに発症する病気です。およそ10~15人に1人は生涯のうちにうつ病を経験すると考えられており、きわめて発病頻度の高い病気といえます。
 そしてひと言でうつ病と言っても症状は人それぞれです。
 そのため治療方法も同じうつ病であっても全く同じ治療法で良くなるというわけではないのです。

 では医師はどのように治療していくのでしょうか?

 前回も説明した様に、まずは十分な休養を取るというのが大事ですが、それと並行して薬による治療が必要となってきます。
 医師はその人に休息が必要だと感じたら、会社を休職するように指示を出します。
 うつ病になる人は責任感が強く、仕事を休んだりすることに抵抗のある方も多くいます。しかし休息は必要ですので、医師がしっかりと説明し理解をしてもらいます。そして回復に向けて治療を行っていきます。

 休養と並行して、投薬による治療も行います。
 精神科の薬に抵抗感を持っている方もいるかもしれませんが、うつ病も風邪の時と同じように症状を理解して、症状に合わせた薬による治療が効果的です。
 (風邪の時は熱が出ていれば解熱剤を、咳が止まらなければ咳止めの薬を出すのと同じです)
 医師はしっかりと患者さんと話を聞き、薬を調整し治療していきます。

 ではカウンセリングはどうでしょうか?

 医師の治療とカウンセリングの大きな違いは治療をしているか、していないかです。
 カウンセリングはクライアントの抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことであって、決して治療をしているわけではありません。
 こころのダメージを修復し、いままでストレスに感じていたものに対して対応できる自分に変容することを促していきます。(治療は症状に対するアプローチが主となり、カウンセリングやリワークはこころのケアやストレスに強い状態を作っていくことを目的にています)

 ご本人もしっかりと相談できる第3者がいてくれることによって、大きな安心感を得られます。その安心感がストレスの軽減や、仕事を行なっていく上での安心感につながっていきます。

 最後にリワークについてです。
 
 リワークには復職を目指す休職者向けのものや、離職中であり再就職に向けてのものがあります。カウンセリングのように個人対応だけではなく、集団でもプログラムを多く取り入れています(またリワークのプログラムの中にカウンセリングを行うケースもあります)

 リワークは職場に戻った時のことを想定し、生活リズムを整え、仕事をする時のストレスに対応するための課題に取り組む期間でもあります。

 課題というのは人それぞれですが、個人より集団で行なう方が効果的なものもあります。例えば人との関わり方です。仕事を行う上で人と関わる機会というのは必ずでてきます。人と関わって仕事をしていく中でストレスを感じる場面が想定できるなら、どうすればそのストレスを昇華していけるか、集団の中でこそ学べることではないでしょうか。

 ひと言でリワークと言っても様々な事業所があるので、しっかりと自分に合った事業所を探し、そこで自分の課題に取り組んでいくことが、今後の就労継続に大きな役割を果たします。

 本人が適切な外部の支援機関を利用していくことと、社内でのサポート体制を準備しておけば、職場復帰した際に本人もそして会社も安心して働き続けることが可能になっていくはずです。
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