正当な評価と感謝の気持ちが、相談しやすい「心理的安全性」のある環境を作る

 

introduction

社内コミュニケーションが業務の円滑な運営、業績向上に大きな役割を果たすという事実は、これまでのHR総研×Unipos共同アンケート調査(1回目:「組織風土改革」に関する調査レポート、2回目:「上司と部下のコミュニケーション」に関する調査レポート)でも明らかになっている。この点を把握し、社内コミュニケーションの活性化に取り組む経営層や人事担当者は少なくない。しかし、現場で働く従業員は社内コミュニケーションについてどのように感じているのだろうか。経営層や人事担当者と現場で働く従業員との間でギャップがあれば、せっかくの取り組みも意味をなさない。そこで、HR総研とUnipos株式会社(東京都港区、代表取締役社長:斉藤知明)は両者の意識の違いを探るべく、共同調査「職場に関するアンケート」を実施し、結果をHR総研が分析した。なお、上場及び非上場の経営層と人事担当者は「HRプロ」と「経営プロ」で調査を実施し、合計249名から回答を得た。役職にはついていない一般従業員は、マクロミルでアンケートを行い、515名から回答を得ている。

レポート

職場の人間関係や業務の進め方、業績、キャリアアップなど、誰しも仕事をしていれば、悩みが尽きないものだ。壁にぶつかり仕事が手に付かなくなってしまったとき、社内に相談がしやすい環境があれば、悩みを解決しやすい。そして、悩みを乗り越え、高いモチベーションで働くことは、結果として生産性の向上にもつながる。では、どれほどの職場で、部下が上司に相談しやすい環境となっているのだろうか。

現場で働く従業員は、自社に相談しやすい環境があるとはそれほど思っていない

『部下は上司に相談しやすい環境ですか?』と尋ねたところ、経営層・人事の20%は「会社全体が相談しやすい環境である」と回答し、66%は「部門によっては相談しやすい環境である」と回答している(図表1)。合計すると86%が自社に相談しやすい環境があると考えていることになる。


図表1 部下は上司に相談しやすい環境ですか?(択一)

図表1 部下は上司に相談しやすい環境ですか?(択一)

一方、現場で働く一般従業員は、19%が「会社全体が相談しやすい環境である」と答え、49%が「部門によっては相談しやすい環境である」と回答している。合計すると68%となり、経営層・人事の考えとの乖離が確認できる。経営層・人事は相談しやすい環境についてほとんど問題がないと考えていることがアンケート結果からうかがえるが、一般従業員の3割以上は相談しにくい環境であると考えている。人事は相談しやすい環境作りについて、今一度見直すべきだろう。

相談しやすい環境が正しく機能しているかを知るため、『上司と部下のコミュニケーションは円滑と感じていますか?』と尋ねた(図表2)。結果を見ると、経営層・人事の46%、一般従業員の40%が「円滑にコミュニケーションできていない」と回答している。経営層・人事は、先ほどの設問で86%が、自社に相談しやすい環境があると考えていたが、上司と部下のコミュニケーションには問題があると認識しているようだ。

従業員が業務で困ったことがあった際、同僚同士で相談して解決できないことも、上司に相談すれば大抵のことは解決できるはずだ。経営層・人事も従業員も、気軽に上司に相談すべきと考えているはずだ。しかし、上司に相談しやすい環境があることと、気軽に相談できるかは別の問題であり、この点は大きな課題だろう。


図表2 上司と部下のコミュニケーションは円滑と感じていますか?(択一)

図表2 上司と部下のコミュニケーションは円滑と感じていますか?(択一)

この後、調査レポートでは下記について紹介しています。

  • 社員が「イキイキ」と働ける環境とは
  • 相談しやすいかは「心理的安全性」が影響する
  • 「働く喜び」を得られるのはどんな時か
  • 心理的安全性と働く喜びの両方を高められる手段とは
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