株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(以下、同社)は2026年4月22日に、調査「AI活用が変える職場とマネジメント業務調査」の分析結果を発表した。本調査は、2026年1月に企業に勤務する正社員を対象に実施されたもので、計1429人から回答を得ている。AIを仕事で活用している層(仕事活用群)とそうでない層の間には、業務変化の実感に大きな差が生まれており、AI活用が組織・マネジメントの在り方を変え始めていることが浮かび上がった。

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データで見えた「AIと上司の役割分担」—マネジャーに求められる感情的関与とは

AI活用者と非活用者の「変化実感」格差

まず、直近1~2年の業務変化について同社が尋ねたところ、「業務効率化・生産性向上」を実感した割合はAIの活用群58.7%に対しAIの非活用群は20.1%と、約39ポイントの差があった。アウトプットの質・スピードなど全項目で活用群が上回り、「AIを使うかどうか」が仕事の変化実感に直結している実態が明らかになった。

【図表1】この1、2年の業務対応の変化実感(AI活用度で比較)

【図表1】この1、2年の業務対応の変化実感(AI活用度で比較)

活用者ほど「期待」と「危機感」が同居



他方で、仕事活用群はAIの未来をポジティブに捉えているものの「AIの高度化によって、人の考える力が低下するのではないかと思う」との懸念が52.9%、「AIの活用が進むと、自分ならではの価値発揮が難しくなると思う」も36.5%に上る。AIの可能性を実体験しているからこそ副作用も冷静に見えている。これがAI先進活用層のリアルな意見としてとらえると、人材育成においてはAI推進と並行して「AIに依存しすぎない思考力」「個人の固有価値の言語化」を育てることが重要課題になりそうだ。

【図表2】AIが社会にもたらす未来と自身にもたらす未来についての考え(AI活用度で比較)

【図表2】AIが社会にもたらす未来と自身にもたらす未来についての考え(AI活用度で比較)

マネジャー業務へのAI導入は「広がるも限定的」

マネジャーの業務へのAIツール導入は進みつつあるも依然限定的となっている。導入上位は「計画・企画立案支援」「社内知見検索」など構造化しやすい領域に集中し、日常の業務改善から段階的に広がる兆しが見られる段階だ。

【図表3】マネジャーの業務に関するAIツール導入状況

【図表3】マネジャーの業務に関するAIツール導入状況

「AIと人の役割分担」がマネジメントの新常識に

メンバー視点でAIと上司の役割を比較したところ、「複数選択肢の提示」(AI肯定率42.4%)、「新たな視点の提供」(38.8%)、「業務の推進」(38.3%)など、業務遂行や思考拡張の領域ではAIへの評価が高かった。

一方、「やる気の喚起」では上司40.8%に対しAIは26.0%、「気持ちへの寄り添い」では上司42.7%に対しAIは27.2%と、感情や内面への関与では人の上司が上回る結果となった。AIは業務推進・意思決定支援で強みを発揮する一方、メンバーの感情や動機づけへの深い関与は依然として人の上司が担っている。

【図表4】メンバーからみたピープルマネジメントにおけるAIと上司の役割分担

【図表4】メンバーからみたピープルマネジメントにおけるAIと上司の役割分担
今後は、AIを補助的に活用しながら上司が感情面のマネジメントに注力するなど、役割分担を前提としたマネジメントの設計が求められる。マネジャーに必要なのは「AIを使いこなす能力」だけでなく、AIが代替できない感情的関与の深化だ。この役割分担を前提とした組織設計が問われる時代に入ってきたといえそうだ。

出典:【調査概要】 「AI活用が変える職場とマネジメント業務調査」/株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000188.000029286.html


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