HRプロとは株式会社マイナビは2025年6月5日、「マイナビ 2025年夏のボーナスと転職に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2025年5月1日～7日で、従業員数3名以上の企業に属する20～50代の正社員のうち、前月転職活動を行った、もしくは今後3ヵ月で転職活動を行う予定の1,366人から回答を得ている。調査結果から、働く人の夏ボーナスに対する意識や、それによる転職行動への影響などが明らかになった。
転職を考えている正社員の約6割が「夏の賞与をもらってから転職する予定」
世間は夏のボーナスを心待ちにする時期。しかし、その支給が転職意向に大きく影響することもあるだろう。実際に、働く人々は夏ボーナスに対してどのような意識を持ち、それが転職行動にどのように影響しているのだろうか。はじめにマイナビは、「直近の転職活動と賞与」に関して、回答者の意識を調査した。その結果、転職を検討している正社員のうち58.3％が、「今年の夏の賞与支給後に転職する予定」と回答した。なお、年代別に回答割合を見ると、年代が若いほど高い傾向がみられ、特に20代では66.4％と最多になった。企業にとって、賞与支給のタイミングは離職リスクの高まる時期とも言えそうだ。
一方、「賞与額が高かった場合に転職を思いとどまる可能性がある」との回答は51.5％となり、同じく20代が最多で63.1％となった。
次に、「予想より賞与額が高かったので転職するのをやめたことがあるか」と尋ねたところ、「ある」とした人の割合は33.3％だった。
そこで、「転職するのをやめたことがある」とした人に対し、「転職をやめた時の高かった賞与額」を尋ねると、平均額は「107.1万円」となった。賞与の金額が転職の意思決定に一定の影響を及ぼしていることがうかがえる結果となっている。
そこで、「転職するのをやめたことがある」とした人に対し、「転職をやめた時の高かった賞与額」を尋ねると、平均額は「107.1万円」となった。賞与の金額が転職の意思決定に一定の影響を及ぼしていることがうかがえる結果となっている。
「賞与が少ない」ことを理由に転職したことがある人は約7割に
続いて同社は、「賞与が少ないことが理由で転職をした経験」の有無について尋ねている。すると、「ある」とした人の合計は69.1％（1番大きな転職理由だった：32.1％、1番ではないが転職理由だった：37％）となった。そこで、同回答について年代別に見ると、「1番大きな転職理由だった」とした割合は20代では46％と、他の年代と比べて高くなっていた。
なお、転職理由となった賞与の平均額をみると、全体では「38.2万円」だった。
前年夏の賞与額は平均「59.6万円」。理想とのギャップは「38.6万円」
次に、「夏の賞与額」における現実と理想を調べたところ、前年夏の賞与額が平均「59.6万円」だったのに対し、自分の仕事に見合うと思う理想の賞与額は平均「98.2万円」で、そのギャップは38.6万円だった。回答を年代別にみると、年代が上がるほど現実・理想とも金額が高い傾向がみられた。なお、現実と理想の差額が最も大きかったのは30代・50代で差額40.5万円、最も小さかったのは20代で差額23.7万円となった。
約7割が「転職先を選ぶ際に賞与金額を重要な情報」と捉えている
続いて同社は、転職活動における「転職先の賞与の金額」に関する意識を調査した。その結果、転職先を選ぶ際に賞与金額を“重要な情報”と捉えている人は68.6％にのぼり、特に20代の割合が高くなった。一方、「選考時に賞与について質問しづらい」と感じている人は73％で、こちらも20代が最多となった。
最後に、「前年夏の賞与額が基本給の何ヵ月分だったか」を尋ねたところ、最多となったのは「約2ヵ月分」で22.5％だった。
また、あわせて「転職先に求める賞与額は最低何ヵ月分がよいか」と尋ねた結果においても、「約2ヵ月分」が30％で最多となっている。
また、あわせて「転職先に求める賞与額は最低何ヵ月分がよいか」と尋ねた結果においても、「約2ヵ月分」が30％で最多となっている。
調査結果は、企業が優秀な人材の確保・定着を目指す上で、夏のボーナスが単なる従業員への評価や感謝の印に留まらず、その転職意向を左右する重要な要素であることが浮き彫りになっている。特に、賞与額における理想と現実のギャップが約38.6万円にも及ぶ現状は、企業が報酬体系を見直す上での具体的な検討材料となるだろう。単に金額を増やすだけでなく、従業員が自身の貢献度と報酬に納得感を持てるような評価制度や、キャリアパスの提示を含めた総合的な報酬戦略が、人材の流出を防ぐ上で不可欠であると言えそうだ。
出典：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002183.000002955.html
出典：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002183.000002955.html
