メガネ・サングラスの製造販売を手掛けるOWNDAYS株式会社は2023年2月9日、同社運営の国内店舗における人員過少エリアへ社員が出向いて働く「社内出稼ぎ制度」を導入したと発表した。同社は本制度を通じ、店舗運営の需要と供給のバランスを改善するとともに、さまざまな地域での応援勤務により社員の経験値を蓄積したいとしている。
OWNDAYS、人手不足エリアへの応援勤務で最大15万円のインセンティブを支給。「人手不足解消」と「賃上げ」を叶える新制度を創設

店舗の人員不足状況をランクで示し、応援勤務で月間最大15万円のインセンティブを支給

OWNDAYSはこれまで、人手不足が生じた店舗への応援勤務については、会社側から社員に依頼する形で運用してきたという。しかしこの方法では人員の確保が難しいといった課題があったことから、同社は2022年12月、人員過少エリアにおける人手不足解消に向け「社内出稼ぎ制度」を創設した。

本制度では、人手不足で応援を必要とする店舗をS・A・B・C・D地域の5つの募集ランクに振り分け、ランクごとにインセンティブの金額を「1ヵ月あたり5万円~15万円」に設定している。人手不足店舗に出向く人員については、会社が各募集地域への応援勤務を命じるのではなく、社員が自発的に選択できる仕組みとなっているという。なお、本制度での応援勤務期間は最低1ヵ月から最大3ヵ月で、インセンティブの支給有無は原則、宿泊を伴うエリアでの応援勤務が前提となっている。また、応援勤務終了後には、レポートの提出が必須とされているとのことだ。
OWNDAYS、人手不足エリアへの応援勤務で最大15万円のインセンティブを支給。「人手不足解消」と「賃上げ」を叶える新制度を創設
物価上昇が相次ぐ昨今の状況を受け、同社は本制度を「勤務地を変えることで一時的な社員の賃上げを可能とし、社員と会社双方にメリットのある持続可能な施策」だとして定めている。本制度の運用に関して、同社社員からは「転勤は家庭の都合上できないけれど、自分で決めた一定期間だけプラスで稼ぐことができるのは、とてもありがたい」といった声が寄せられているという。今後も同社は、制度運用を通じて社員の働き方にダイナミックプライシングを導入し、店舗運営における需要と供給のバランスを改善したい考えだ。また、さまざまな地域での応援勤務で得られた社員の経験値を、社内蓄積していきたいとしている。

本制度は、「人員不足の解消」と「賃上げ」をどちらも叶える有効な取り組みと言えるだろう。多くの拠点があり、地域によって人員の充足状況が異なる場合には、こうした先行事例を参考に課題解消につながる施策を検討してみてはいかがだろうか。

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