経済産業省(以下、経産省)は2021年8月30日、「健康経営銘柄2022」および「健康経営優良法人2022」の申請受付を、同日より開始したと発表した。両取り組みは、経営的視点で従業員等の健康管理を考え、健康の保持や増進につながる施策を戦略的に実践する「健康経営」を推進するもの。また、両取り組みの認定基準となる「健康経営度調査」にも新たな項目を追加し、健康経営がより評価される環境整備と、裾野の拡大を図っていくという。
経済産業省、健康経営を推進する「健康経営銘柄2022」・「健康経営優良法人2022」の申請受付を開始

健康経営への関心は増加傾向。企業が社会的評価を得やすい環境を整備

健康経営に対する企業の意識は年々高まっており、経産省が2014年度から実施している「健康経営度調査」への回答数も、2020年度は2,523法人で過去最高となった。日経平均株価を構成する225銘柄のうち8割超の企業が参加し、各業界を代表する企業の多くが、経営戦略の1つとして健康経営を推進している。また、ESG(Environment=環境・Social=社会・Governance=ガバナンス)の観点でも、「健康」は“S(=社会)”に位置づけられていることから、企業経営における「健康」の位置づけにも関心が高まっている状況だ。

このような関心の高まりをさらに促進すべく、経産省では「健康長寿社会の実現」に向けた取り組みを推進する。特に優れた健康経営を実践する企業を選定する「健康経営銘柄」や、健康経営を実践する企業を「大規模法人」と「中小規模法人」の2つの部門に分けて認定する「健康経営優良法人認定制度」を実施。なお、「健康経営優良法人認定制度」については、大規模法人部門の上位企業を「ホワイト500」、中小規模部門の上位企業を「ブライト500」として認定する。2022年の選定・認定に係る申請は、上記の通り8月31日よりすでに開始している。

また、両取り組みの選定および認定にも利用する「健康経営度調査」についても、2021年度調査より新たに3つの調査項目を追加。新たなチェックポイントを設けることで、健康経営の取り組み状況と経年での変化を分析し、健康経営がより評価される環境整備に取り組みたい考えだ。なお、今回より新たに加えた項目は以下の3つだ。

(1)情報開示の促進:健康経営度調査フィードバックシート等の開示をホワイト500の必須要件とする等

(2)業務パフォーマンスの評価・分析:従業員の業務パフォーマンスの測定の有無とその手法

(3)スコープの拡大:自社だけでなく、取引先の健康経営の取り組みを支援しているか、社会全体の健康への寄与等

「健康経営銘柄2022」および「健康経営優良法人2022」の認定スケジュール

「健康経営銘柄2022」および「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」は、2021年度健康経営度調査の回答が必須となり、調査票への回答が申請受付となる。「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)」と併せた申請ならびに認定スケジュールは以下の通り。

<大規模法人部門>
健康経営度調査:2021年8月30日(月)~2021年年10月25日(月)17時 
選定・認定時期:2022年3月頃

<中小規模法人部門>
申請:2021年8月30日(月)~2021年11月1日(月)17時
認定:2022年3月頃

令和3年度申請のスケジュールについて
経済産業省、健康経営を推進する「健康経営銘柄2022」・「健康経営優良法人2022」の申請受付を開始
企業戦略という点からも、健康経営の重要性はますます高まっているようだ。自社の信頼性を高めていくためにも、公的な認定制度に向けた取り組みを視野に入れてみてはいかがだろうか。

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