ブラック企業から転職した人の約7割が「労働環境の改善」を実感。一方で“ゆるすぎる”企業に不満の声も

「ブラック企業に勤めた経験あり」は半数超。そのうち約7割が「長時間労働」を体験

昨今、長時間労働や低賃金、ハラスメントなど、「ブラック企業」といわれる環境が問題視され、実態は改善傾向にある。一方で、「ホワイト企業」と呼ばれながらも、“ゆるすぎる”ことが離職の原因となるケースもあるという。ブラックな環境とホワイトな環境は、離職率に因果関係があるのだろうか。

はじめにライボが、「これまでブラックだと感じる企業に勤めた経験があるか」を尋ねると、「ある」が52.8％と半数以上におよんだ。

また、「ブラックだと感じた理由」を尋ねると、「長時間労働」が68.9％と最も多く、以下、「ハラスメントがある」が48.3％、「根性論が飛び交っている」が43.3％と続いた。具体的な内容を尋ねたところ、「有給休暇を取得することが『悪』という雰囲気があり、誰も取得していない」、「人事評価はあってないようなもので、上司の好き嫌いが反映される」などの声があがったという。

5割弱がブラックな環境からの転職経験あり。そのうち7割が環境の好転を実感

次に同社が、「ブラック企業に勤めた経験あり」とした回答者に、「ブラックな事象で転職した経験があるか」を尋ねると、「ある」が47.8％、「ない」が52.2％だった。

また、「ブラックな事象での転職経験あり」との回答者に、「転職によって環境の希望は叶ったか」を尋ねた。すると、「叶った」が27.9％、「どちらかといえば叶った」が41.9％と、転職により環境が好転したとの回答は69.8％と7割に迫った。一方で、「叶わなかった」との回答は30.2％だった（叶わなかった：23.2％、どちらかといえば叶わなかった：7％）。

“ゆるすぎる”企業での勤務経験者は3割超。ゆるすぎが原因で転職する人も

続いて同社が、「“ゆるすぎる”企業で勤めた経験があるか」を尋ねると、「ある」が34.2％、「ない」が65.8％だった。

また、「“ゆるすぎる”企業での勤務経験がある」との回答者に、「ゆるすぎて転職をした経験の有無」を尋ねると、「ある」が48.9％、「ない」が51.1％となった。回答を年代別にみると、「50代」が100％だった。以下、「40代」が66.7％、「20代」が65.4％、「30代」が37％となった。

「“ゆるすぎる”と感じた具体的な内容」の自由回答には、「サークル感覚で遅刻や欠勤が日常的にあり、それを叱る文化もない」、「会議は基本的に雑談をして終わることが多く、真剣な議題がないのでダラダラと進む」などの声が寄せられたという。

ブラックを連想させる職種は「営業職」、ホワイトは「事務・アシスタント」が最多

最後に、「ブラック／ホワイトを連想させる職種」を同社が尋ねた。すると、「ブラックを連想させる職種」の上位は、「営業職」（43.7％）、「販売・サービス職」（15.2％）、「技術職」（12.6％）だった。

一方で、「ホワイトを連想させる職種」の上位は、「事務・アシスタント」（31.7％）、「公務員」（16.7％）、「企画・管理」（14.5％）となった。

ブラックな環境や“ゆるすぎる”環境の是非に関する自由回答では、「ブラックな環境に対する捉え方が世代別で少し違う気がする」や「ゆるすぎな環境に慣れてしまって、転職後にその会社で適応できるか不安」、「業界や職種によって働く環境はある程度決まる気がするので仕事に何を重視するかが重要」などの声が寄せられたという。

本調査から、全体の約半数がブラックな環境での勤務経験があり、そのうち5割程度が環境を要因に転職したことがあると判明した。一方で、“ゆるすぎる環境が原因とする転職者も5割弱と、ブラック企業の改善が進む一方で、スキル向上が見込めない環境に不満をもつビジネスパーソンもいる実態が明らかとなった。環境を要因とする離職を防ぐためには、個々のニーズを適切に捉え、労働環境の改善を図っていく必要があるだろう。