350万社以上が存在する日本の企業社会において、真の「新卒採用」の役割とは何か。情報システムやサービスの提供を通じて会計事務所と地方公共団体を支援する株式会社TKCは、その答えを「大学との強固なパートナーシップ」に見出しています。 キャンリクフォーラムでの出会いをきっかけに、大学のキャリアセンターと手を取り合い、学生が社会へ出るための基盤を共に作る。それは、単なるマッチングを超えた「社会に対する教育の使命」の共有でもあります。「超人間的会社」を掲げる同社が、なぜ今、対面でのコミュニケーションを重視し、大学との深い繋がりを求めるのか。その根底にある、学生一人ひとりの将来を見据えた熱い想いを紐解きます。

【ゲスト】


  • 田中 康義氏

    田中 康義氏

    株式会社TKC 人事教育本部エグゼクティブ フェロー

    大学卒業後TKC入社。コンサルティング職として会計事務所支援に従事し、各地域の責任者や本社営業本部長、人事教育本部長に就任。
    現在は人事教育本部のフェローとして人材育成と研修体系のさらなる発展に寄与している。


<株式会社TKC>「誰かが育てた人を引き抜くより、自分たちで育てたい」――。大学とTKCが描くキャリア支援の新たな形。

Q1. 主要な事業内容と会社の特長

一言で言えば「情報システムを開発し、専門家の方々に提供する」会社です。お客様は税理士・公認会計士や、市役所・区役所などの地方公共団体といった、高い専門性を有する方々。そのため、非常に堅実で誠実な社風が根付いています。

当社は会計や税務、法律、あるいはITに詳しい人たちが入社してくるんだろうと思われがちなんですが、文理関係なく、それらと全く関係のない学部の人もたくさん入社しています。多様な人が集まることで議論の質が高まると考えているからです。その代わり、研修はかなり充実させていて、コストも時間もかけて教育しています。
例えば、システム開発では、未経験から9ヶ月間ぐらいかけて研修を行っています。コンサルティングについても、入社してから勉強する方がほとんどなので、育成にはかなり力を入れていますね。

特筆すべきは、お客様との「一体感」です。クライアントがゼロ件の状態から開業する会計事務所と作戦会議を重ね、「顧問契約が決まった」と電話をいただけたら、自分のこと以上に喜ぶ。そんな待遇や評価を超えた次元で、お客様の成長を支援することにやりがいを感じる社員が多いのが当社の誇りです。

また、創業以来「社員の待遇世界一」を目指しており、奨学金返済の肩代わり(奨学金代理返還制度)のほか、医療費の実質無償化、年間10万円までの書籍代補助など、学ぶ姿勢や生活を支える仕組みを整えています。ただ、これらはあくまで土台であり、福利厚生を売りにしたいわけではありません。まずは私たちの事業内容や志に共鳴し、「この会社で貢献したい」と思ってくれる仲間を求めています。

Q2. 求める人物像

学生の方から「入社までにどんな勉強や資格が必要ですか?」と聞かれることがよくありますが、私たちは「どうしても資格を取得したければ取っても良いと思う。でも、学生の本分は学業や遊びだよ」と言っています。

卒業が近づいて、自分でコントロールできる時間が大量にあるときに、その時間を使って何をするかがよっぽど大事です。旅行でも、やったことないことでもいい。砂漠に興味があるなら世界の三大砂漠を歩いてくるとかでもいい。どんなことでもやってみることが、社会人になってからの生涯の財産になると思っています。

ですから、「会社に入ってからできること」を準備する勤勉さより、今興味があること、目の前にあることに「やってみよう」と思える人の方が魅力的ですね。

社会人になれば、自分の意にそぐわない仕事やミッションもいっぱいあります。その時にどうするか。今の環境をどう利用するかを考え、目の前のことに集中力を発揮して成果を出す。そういう経験をしてきた人たちが集まって議論をすれば、面白い組織になるはずです。そんな「面白い人の一人」になってくれる人を、仲間として求めています。

Q3. 新卒採用活動の状況

年度によって状況は変わりますが、今年の4月入社については比較的計画通りに進みました。ただ、これからは未知数です。私たちは一般消費者向けの取引がほとんどないため、学生からの知名度が圧倒的に低いという宿命があり、採用では不利だと感じています。

いくら周知をしても、対象となる学生は毎年入れ替わるため、常にゼロからのやり直し。そこが辛いところではありますが、学生の考え方の変化に合わせて工夫し、情報収集と状況把握を楽しみながら活動し続けることが必要だと思っています。

ついでに言うと、うちは新卒採用が圧倒的に多いんです。キャリア採用は即戦力になりますが、新卒は将来の可能性、つまり先の話ですよね。

よその誰かが育成した人を引き抜くのではなく、自分たちがゼロから人を育てる側に回ることこそが、社会的な貢献であり使命だという考えがあるからです。

――知名度をあげる施策はどんなことをされているんですか?

他社と同じことをしても目立たないので、独自の視点を伝えるようにしています。例えば、全国に事業所があることを「若いうちに多様な経験を積み、将来の希少価値を高めるチャンス」と捉えてもらう。その時になっても取り戻せない「時間の価値」を伝えています。

インターンシップも会社説明は最小限にし、学生が「就職活動で、あるいは社会人になったときに使える」内容にアレンジしています。もともと社会貢献の一環として組み立てているんです。会社説明会でも、自社を売り込むだけでなく、「7つの視点で他社と比較しましょう」と推奨する、少し変わった会社かもしれません(笑)。

学生と同じ目線に立つことも大切にしています。録画選考などのAI判定は、あえて使いません。「人間が働く場所に人間を呼ぶんだから、自分たちで選ぼう」と、IT企業でありながら「超人間的な会社」でありたい。面接も対等な対話を重視し、決して威圧的な場は作らない。この「対等さ」こそが、私たちの最大の差別化なのかもしれません。
<株式会社TKC>「誰かが育てた人を引き抜くより、自分たちで育てたい」――。大学とTKCが描くキャリア支援の新たな形。

Q4. 現在の採用の体制

私たちは「人事教育本部」という部署に所属しており、採用のほか、社内全体の教育、人事評価、人事制度全般の業務を担当しています。メンバー7人で、2,500人の社員のサポートを担当しています。
採用は採用チームでといったチーム分けをすることなく、
意図的に業務を混在させて、みんなで相談しながら進めています。

ただ、7人ではすべての業務が回らないっていうのはいろんな場面で感じているので、「支援社員」と呼ばれるメンバーを100名ほど任命しています。
若手からベテランまで幅広い層で構成され、イベントを手伝ってもらったり、多様な人たちを採用するために面接も分担してもらったりしています。

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Q5. 大学との関係構築に期待すること

大学とは、現在の状況や採用・就職支援の考え方、今後変わっていくことなどをお互いに情報交換したいですね。もちろんこちらから情報提供したいこともたくさんあります。

大学によって、随分と就職支援の考え方ややり方が違っているので、全てを把握するのは難しいですが、 各校を訪問しながら対面でいろいろ共有させていただければと考えています。

すごく労力はかかりますが、対面でのコミュニケーションを大切にされている大学には、やはり我々も自然と惹きつけられますね。

Q6. 大学訪問を行う上での課題

大学訪問において一番大変なのは物理的な距離ですね。
地方の大学を巡る際、1校を訪問するための移動だけで丸一日を要することもあり、
これは効率という面では解決できない問題かもしれません。
ですが、やはり直接お会いしないとわからないことがあるのも事実です。

ホームページの情報だけでは見えてこないことがあって、実際にお話しする中で「あぁ、そういうことだったのか」と腑に落ちる瞬間がある。それはきっと大学側も同じだと思うんです。企業の人と直接会って、対話することで初めて知ることもたくさんあるはず。

なんだかんだ言っても、やはり直接お会いすることが大事なのかなと、今はそんな風に思っています。

Q7.キャンリクフォーラムに参加された動機と感想

動機はシンプルに「大学の方々に会いたい」、ということなんです。

直接いろいろなお話をしたい。だから、たとえわずかな時間でもいいんです。実際は参加者が多くてすごい熱気になっていますが(笑)、やはり対面は大事だなと改めて感じていますし、こうした時間を作っていただけるのは本当にありがたいことですね。

ブースを回ってお話ししてみると、「なるほどね」と思うことがたくさんあります。例えば、大学の方が「自分の大学にはこういう学生が多いんです」と紹介してくださるのですが、それを伺うのが非常に興味深くて。その大学の校風、全体に流れているものを大切にされていて、そういう学生たちを企業側に認めてほしい、社会で活躍してほしい、という想いが伝わって来ます。それこそが、ぜひお聞きしたい部分なんです。

学生は学校の校風やイメージを好んで集まるので、自然と似たような学生が集まりやすいのかな、とも感じています。だからこそ、さまざまな学校から多様な人材に、私たちの「仲間」になってもらうことが必要なんだと考えています。フォーラムを通じて改めてそう実感しています。

Q8.キャンリクフォーラム参加後のフォローアップやアクション

現状、フォローアップについては少し「もったいないこと」をしているな、と感じています。フォーラム参加後、すぐに大学へ訪問できるようなスケジュールを組むことができれば理想的なのですが、どうしても間が空いてしまう。せっかくイベントというきっかけを作っていただいているので、それと連動させた訪問の仕方をうまく組み立てていく必要があると考えています。

訪問の際には、イベントでお渡しした資料や短い会話よりも、さらに一歩踏み込んだ、大学側が本当に知りたがっている情報を提供したいと思っています。ただ訪問すればいいというわけではなく、「その後に何をするか」が一般の営業活動と同じで一番大事なことですから。

大学の皆さんの業務量も大変なものだと思います。日本には350万社もの会社があるわけで、そのすべてと面談するのは物理的に不可能です。お忙しい中、貴重なお時間をいただくのは非常に申し訳ないという気持ちもあります。

だからこそ、私たちは短い時間であっても、自社の特長を的確に伝えられるように準備を組み立てておかなければなりません。キャリアセンターの皆様の状況も理解した上で、いかに有意義な接点を作れるか。それが今の私たちの課題ですね。

Q9.今後の新卒採用活動の展望と大学キャリアセンターとの連携

新卒採用は、会社にとって「採用と教育」が一体となった社会的な使命だと考えています。
私の部署は「人事教育本部」という名称ですが、これには理由があります。採用して終わりではなく、入社して2年目になるまでは採用活動の一環だと考え、もし1年以内に離職者が出れば、それは私たちのフォロー不足、つまり「採用活動の失敗」だと捉えて改善していく。そんな覚悟で向き合っています。

そんな中、大学と協力して「社会に出るための教育」を担えないかと考えています。 実際に一昨年から、宇都宮大学の授業の一部を担わせていただいています。会社説明はほとんどせず、システムやマーケティングに触れる2日間のプログラムです。まずはここで内容をブラッシュアップし、今後は他の大学にもこうした連携を提案していきたいですね。
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