書籍では、「定年後に直面する家計・報酬の変化」や「職務再設計」、「年下上司との関係」、これらに伴う「企業人事制度と課題」がデータと共に解説されている。人事担当者が、特に注目したいのは人事制度改革だ。三菱UFJ銀行、カルビー、サントリーHD、日本航空、クボタ、スズキなどの先行事例がまとめて紹介されている。成果を上げる人材に対しては、高齢でも報酬レンジや職務内容を軸にした、新しい仕組みを整えている企業は多い。
あとがきで、著者の一人 松雄氏は自身の経験を語る。「ポストオフ後の2年目にキャリアを前向きに見つめ直し、これまでと異なる領域の業務にも積極的にトライした。“仕事の実績”が次の仕事につながっていくことを実感できた。」という。主体的に挑戦すれば、シニア世代が居場所を作ることができる可能性は十分にある。そのために、中長期的なキャリア意識を持つことが重要で、特に50代のミドルシニア世代は今から意識すべきだろう。企業・個人双方にとって、未来の人事制度変革を考える手引として、大いに役立つ一冊である。
【このような人におすすめ】
○ミドルシニア・シニアの活力を企業競争力につなげたい人事担当者
○人事制度改革に取り組む企業の人事、経営者
○キャリアを考えるすべてのビジネスパーソン
【書籍基本情報】
書籍名:再雇用という働き方 ミドルシニアのキャリア戦略
著者:坂本 貴志、松雄 茂
出版社:PHP研究所
発行日:2025年8月13日

▼ 内容紹介
50歳から備え、70歳まで働く時代が到来し、日本社会は人口減少と少子高齢化の影響で、若手人材確保がますます困難になっている。若手中心の人材戦略が限界を迎え、経験・スキルを持つミドルシニア層への期待が高まっている。本書は、再雇用の持つ可能性を個人と組織双方の視点から解説し、ミドルシニアを組織の中核戦力として活かす重要性と具体策を提示する。再雇用後の処遇や役割の変化、不安や課題を客観的に捉えたうえで、キャリア再設計に必要な視点や戦略を明快に示している。また、企業人事・経営者に向けたヒントとして、人事制度の見直しやマネジメント改革に向けた具体的なポイントを盛り込んでいる。ポストオフ後の経験や新しい学びが第二のキャリアの充実につながり、ミドルシニア自身が社会の中で新たな役割と居場所を創っていくための実践的ガイドとなる一冊である。
(出版社ホームページより/HRプロ編)
▼ 目次
第1章 高齢期キャリアの構造第2章 過渡期の継続雇用
第3章 働く社員が直面する家計と意識の構造変化
第4章 悩ましい年下上司との関係
第5章 人事制度改革の方向性――再雇用制度か、定年延長制度か
第6章 70歳雇用時代に向けた処方
▼ 著者プロフィール
坂本 貴志(さかもと たかし)リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。1985年生まれ。一橋大学国際・公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。研究領域はマクロ経済分析、労働経済、財政・ 社会保障。近年は高齢期の就労、賃金の動向などの研究テーマに取り組んでいる。
著書にベストセラーとなった『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』(共に、講談社現代新書)などがある。
松雄 茂(まつお しげる)
1986年リクルート入社。88年、現リクルートマネジメントソリューションズにおいて人材育成・コンサルティングの営業を行う。東海地区において、自動車メーカー、自動車部品メーカー、インフラ系企業など数多くの大手企業を担当。93年から企業の役員向けコンサルティングなどを行うコミュニケーションエンジニアリング事業を経て、首都圏の3000人超の企業を担当する営業部長、そして営業組織全体を統括する営業統括部長へ。約160名の営業系従業員のトップとして経営会議メンバーとなる。
2018年からはポストオフし、営業支援、トレーナーの品質向上支援、商品開発支援、お客様支援、難度の高いお客様のマネジメント課題に関するソリューションサポートを担う。トップマネジメント伴走支援、ミドルマネジメント育成支援、女性活躍支援、シニア社員活躍支援、事業成果支援、理念浸透など。現在、2025年より独立をし、リクルートマネジメントソリューションズのパートナーとして、企業研修設計、コンサルタントを行う。
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