インターンシップ事前選考のリスクとは?
インターンシップの実施については、三菱地所株式会社が2027年卒の採用において、従来の夏・冬のインターンシップを廃止するという方針を発表しました。その背景の一つとして、インターンシップ選考の不合格者がその後の本選考への応募を避ける傾向があるため、それを解消し、より多くの多様な学生と向き合う機会を得たいとの狙いがあるとしています。そこで、本調査において、インターンシップへの参加を希望したが参加できなかった企業の採用選考に応募したかどうかを聞いてみました。その結果、文系では「一部の企業にのみ応募した」が43%で、「すべて応募しなかった」が15%となっており、これらを合計した“応募しない企業があった”の割合は58%と6割近くに達しています[図表6]。一方の理系では、「一部の企業にのみ応募した」が58%と6割近くに達し、「すべて応募しなかった」が13%となっており、“応募しない企業があった”は71%と7割を超えています。
この結果をみると、三菱地所が懸念したとおり、やはりインターンシップ選考で不合格となった学生を、採用選考で取りこぼしてしまう可能性が一定数あるといえるでしょう。
インターンシップに参加できなかった企業への本選考の応募状況](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4683_6_8GF48J.png)
したがって、私立大の学生のほうが国公立大の学生よりインターンシップに参加できずとも積極的に採用選考に応募する傾向があり、逆にいえば、国公立大の学生のほうがインターンシップに参加できなかったことが採用選考の応募意欲の低下につながる傾向にあると推測されます。
インターンシップに参加できなかった企業への本選考の応募状況](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4683_7_8MP83Q.png)
・インターン選考で落ちると、自身がその企業には合わないのではと感じたから(文系、東北大学)
・ほかの企業で早期選考に参加できたから(文系、慶應義塾大学)
・本選考もどうせ無理だと思ったから(文系、大妻女子大学)
・本選考に受かる可能性が低いと考えたから(文系、大阪大学)
・ご縁がないと感じたから(文系、早稲田大学)
・インターンで通らないなら本選考も難しいだろうと判断したから(文系、北海学園大学)
・自分の能力では合格することができないと思ったから(文系、東洋大学)
・入社したい気持ちが薄れたから(文系、専修大学)
・インターンシップに落ちた時点で、希望の業界を変えたから(文系、熊本県立大学)
・インターンシップに参加したことでその企業の志望度が上がり、そうでない企業の志望度が相対的に低下したから(理系、名古屋大学)
・インターンシップに行った企業が第一志望になったから(理系、東京農工大学)
・社員と関わる機会がないと社内の雰囲気が分からないから(理系、名古屋工業大学)
・インターンシップに参加していない学生の選考が遅いから(理系、名古屋工業大学)
・他社のインターンに参加し、早期選考の案内を受けたから(理系、東京電機大学)
・企業イメージがつかめないから(理系、大阪大学大学院)
・インターンシップにも受からないなら本選考は無理だと諦めたから(理系、中部大学)
・ほかの人に負けると思ってしまったから(理系、法政大学)
・本選考も受からないと諦めたから(理系、大阪大学)
・一般社員との交流を通じて社風を体感したかったがかなわなかったから(理系、群馬大学)
・インターンには興味があったが、働く場所として興味が持てなかったから(理系、九州工業大学)
企業としては、インターンシップの実施回数を増やしたり、1回当たりの受け入れ人数を増やしたりするほか、受け入れ人数にどうしても制約を設けざるを得ない対面型インターンシップだけでなく、オンライン型インターンシップも実施するなど、インターンシップ選考で落としてしまう学生をできるだけ減らす努力が必要でしょう。また、インターンシップ選考では落としてしまったものの、採用選考には応募してほしい多様な学生を逃してしまわぬよう、積極的なフォローアップを実施することが重要です。
次回は、今回と同じく「2027年新卒学生の就職活動動向調査(3月)」の結果の中から、内定(内々定)に関連する項目について取り上げます。
