レバレジーズ株式会社は2025年5月14日、若手正社員のキャリアとお金事情に焦点を当てた調査結果報告として、「ハタラクティブ 若者しごと白書2025」を発表した。調査期間は2024年11月11日~20日で、18歳~29歳の正社員男女1,000人(高卒男性250人、高卒女性250人、大卒男性250人、大卒女性250人)から回答を得ている。調査から、高卒正社員の賃上げ傾向や、若者の副業収入の実態、転職意向に影響を与える要因などが明らかになった。

【賃上げ2025】高卒正社員の賃上げ幅が大卒を上回る。最低賃金の引き上げや高卒人材のニーズの高まりが影響か

「賃上げがあった」は大卒正社員の方が多く、昨年より増加

長期化する人材獲得競争の中、企業は若手人材の採用と定着に注力している。特に学歴を問わない採用や、入社後のキャリア・報酬への期待は高まる一方だ。そうしたなか、若手正社員のキャリアと金銭事情の実態はどのようになっているのだろうか。

はじめにレバレジーズは、「現在の職場で賃上げがあったか」を尋ね、最終学歴ごとに昨年調査結果と比較した。すると、「賃上げがあった」との回答割合は、高卒正社員で3.4ポイント減少した一方、大卒正社員では2.2ポイント増加していることが分かった。
現在の職場で賃上げがあったか

“賃上げ幅”は高卒正社員が大卒を上回る結果に

次に、「賃上げ額」について尋ね、最終学歴ごとに昨年調査結果と比較している。その結果、高卒正社員では「3,000円未満~10,000円未満」との回答割合が8.8ポイント減少したのに対し、「10,000~30,000円未満」は10ポイント増加した。

また、大卒正社員でも「10,000円~30,000円未満」との回答割合が5ポイント増加したことから、同社は「全体として賃上げを実施した企業では、2024年よりも賃上げ額の水準が上昇している傾向が見られる」としている。
賃上げ額

高卒・大卒とも2024年と比べて賃上げ額の水準が上昇

続いて同社は、「手取り月収」について尋ね、同じく最終学歴ごとに昨年調査結果と比較した。すると、大卒正社員の方が高卒正社員よりも手取り額が高い傾向が見られた。

ただし、2024年と2025年の手取り月収を比較すると、高卒正社員では「20万円以上」との回答割合が4.4ポイント増加したのに対し、大卒正社員では0.8ポイント減少した。この結果から、大卒正社員の手取り月収の増加幅よりも、高卒正社員の手取り月収の増加幅の方が大きいことが見てとれた。
手取り月収
今回の調査結果に対して、同社事業部長の本田氏は「近年の賃金動向を見ると、高卒正社員の賃上げ幅が大卒を上回る現象が顕著になっている」とし、その背景として最低賃金の引き上げや、高卒人材への企業側のニーズの高まりなどを挙げている。実際に高卒の内定率も上昇傾向にあるという。また、「企業にとっては、大卒よりも人件費を抑えつつ、即戦力としての活用を期待できる存在として、高卒人材の評価が見直されつつある」との現状も示した。企業は、高卒人材の賃上げ傾向に見られるように、画一的な採用基準から脱却し、個々の能力と適性を見極める採用戦略を一層強化すべきかもしれない。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000752.000010591.html

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