株式会社UPDATERは2022年6月3日、経営層を対象とした「ウェルビーイング対する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2022年4月15日~16日で、従業員数100名以上の企業経営者および役員103名から回答を得ている。調査結果から、ウェルビーイングの実施状況の実態や、取り組みがもたらす効果などが明らかとなった。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

約7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視

企業において、ウェルビーイングへの取り組みはどの程度行われているのだろうか。

UPDATERは、はじめに「自社のウェルビーイングへの取り組みは重要だと思うか」について尋ねている。すると、「かなりそう思う」が33%、「ややそう思う」が37.9%で、合計70.9%だった。一方、「あまりそう思わない」が4.9%、「全くそう思わない」が1%と、合計5.9%にとどまり、ウェルビーイングへの取り組みを重視する経営者が多いことがわかった。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

「働きやすい環境づくり」としてウェルビーイングへの取り組みを重視

さらに、同社は「ウェルビーイングへの取り組みが重要だと思う理由」を尋ねている。すると、「従業員が働きやすい環境を作るのは当然だから」が69.9%で最多となった。以下、「テレワークなど多様な働き方に対する取り組みとして重要だから」が64.4%、「売上や従業員定着率を上げるために必要だから」が54.8%、「異なる価値観やバックグラウンドを持つ人材が増えているから」が52.1%、「コロナ禍で従業員エンゲージメントが下がっている」が42.5%となっている。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

「ウェルビーイングへの取り組み」を実施する企業は6割超に

同社は続いて、「自社でウェルビーイングへの取り組みを実施しているか」を尋ねている。すると、「積極的に取り組んでいる」が29.1%、「やや取り組んでいる」が34%で、合計63.1%だった。一方、「あまり取り組んでいない」は15.5%、「全く取り組んでいない」は21.4%となった。6割超の企業が何かしらの施策を実施している一方で、取り組みを十分に行っていない企業もあることがうかがえる。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

フレックス制など「勤務体制の柔軟化」が最重要施策か

ウェルビーイングへの取り組みを「実施している」と回答した人に対し、「実施している取り組みの内容」を「重要視している順」に尋ねた。すると、「勤務体制の柔軟化(フレックスタイム制など)」が、『取り組み内容』としても『重要度』としても最も多くの回答を集めた。その他、「メンタルヘルス向上の施策」、「社内コミュニケーション向上の施策」、「健康管理の実施」も上位にあがっている。

また、自由回答では、「ストレスチェック」、「社員が相談しやすい環境づくり」、「専門家との連携」、「医療機関に相談し、定期的なアドバイスを受ける」などといった声が寄せられたという。ウェルビーイングの具体的な施策として、メンタルヘルスケアや勤務体制の見直しなどを行っている企業が多いようだ。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

約8割の経営者が「幸福度の向上」を実感

さらに同社は、「ウェルビーイングの取リ組みを実施している」と回答した人に、「従業員の幸福度は目に見えるように変化したか」を尋ねている。すると、「かなりそう思う」が29.2%、「ややそう思う」が46.2%で、合計75.4%となった。一方で、「あまりそう思わない」は15.4%、「全くそう思わない」は1.5%と、合計16.9%だった。ウェルビーイングの取り組みの実施により、「従業員の幸福度の向上」に効果を感じている経営者が多いことが明らかとなった。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も

「取り組み方が分からない」ことが施策実施への壁か

最後に同社は、「ウェルビーイングへの取り組みを行っていない」と回答した人に、「取り組みができていない理由」を尋ねている。すると、「自社に合う取り組みがわからない」が39.5%で最多となった。以下、「ウェルビーイングを実現する具体的なサービスがわからない」が28.9%、「現場への落とし込み方がわからない」が15.8%、「効果検証をするのが難しい」が13.2%、「HRの施策しかなく、人事部に任せきりになっている」が7.9%と続いた。
7割の経営者が「ウェルビーイングへの取り組み」を重視か。“幸福度向上”を実感する人が多い一方、実施方法が分からない企業も
本調査から、「ウェルビーイングの重要性」を認識している経営者が多数を占めることがわかった一方で、具体的な施策に落とし込めていない企業や、施策効果を実感できない企業が存在する実情も明らかになった。他社の取り組みも参考にしながら、自社に合う施策を検討してみてはいかがだろうか。

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