株式会社マイナビは2023年8月21日、「23卒の新入社員の意識」についての調査結果を発表した。調査期間は2023年6月16日~18日で、2023年度入社の新入社員800名(男性・女性各400名)より回答を得た。本調査により、23卒新入社員の将来の勤続意向の傾向、および収入や職場環境に関する意識が明らかとなった。
23卒新入社員の24%が「3年以内に離職する」と回答。定着率には「給与」、「カルチャー」、「コミュニケーション量」が関連

5割弱の新入社員が「10年以内」に退職予定。「3年以内」は女性の方が多い傾向に

新型コロナの流行により、ビジネスにおいてはオンライン化が加速したものの、5類移行を受けて対面でのコミュニケーションが復活してきている。一方で、DXや生成AIの出現などにより社会構造も変わりつつある中で、不安を感じている新入社員もいるだろう。変化の過渡期である23卒の新入社員は、今後の働き方やキャリアについて、入社後数ヵ月の時点ではどのような考えなのだろうか。

まずマイナビは、「今の会社であと何年くらい働くと思うか」を尋ねた。すると、「3年以内」が24.1%、「4~5年以内」が16%、「6~10年ぐらい」が9%で、これら「10年以内」と回答した人の合計は49.1%となり、半数に迫っていた。

男女別で見ると、「3年以内」との回答は男性(18.3%)より女性(30%)の方が多い傾向にあることがわかった。
今の会社であと何年くらい働くと思うか

女性の方がライフステージの変化に備えて早めのキャリア形成を考えている傾向

続いて同社は、「10年以内に離職したいと考えている人」を対象に、「今の会社で長く働くと思わない理由」を聞いた。その結果、「(結婚・出産など)ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」(32.6%)が最も多く3人に1人が回答。以下、「給料が低いから」(28.8%)、「いろいろな会社で経験を積んでいきたいから」(25.7%)と続いた。

男女別に見ると、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」とした男性は20.9%だったのに対して、女性は41.6%と、約2倍も多くなっていた。ここから、結婚・出産などの環境変化への対応意識が男女で大きく異なることがうかがえる。
今の会社で長く働くと思わない理由

「月収18万円以下」の社員の3割超が「3年以内の離職」を予定

続いて同社は、「勤続意向年数」と「現在の月収」をクロス集計した。すると、「月収18万円以下」では「3年以内」が36.7%で最も多かった。また、「月収22万~24万円台」では「10年以上」が37.1%と最も多く、給与額が勤続意向に少なからず影響を与えることが見て取れた。
直近の月収別の勤続意向年数

「3年以内」の離職を考える人は“ゆるい職場”でも2割超に

続いて同社は、「勤続意向年数」の回答を「現在の職場環境」とクロス集計した。すると、「3年以内」の離職意向を示す人は、「ゆるくない職場」が33.6%、「ゆるい職場」が24.8%だった。この結果から、厳しい職場における離職意向はやや高いものの、ゆるい職場であっても勤続意識に影響を与えることが示された。
現在の職場環境別の勤続意向年数

「コミュニケーション頻度」が“ゆるくない職場”の認識を強める要因に

さらに、「現在の仕事環境」を尋ねると、全体では「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」(50.6%)が最多だった。以下、「身につけるべきスキルが明確である」(33.1%)、「配属当初と比べて成長したと感じる」(31.5%)が続いた。

また、「ゆるい職場」と「ゆるくない職場」で割合を比べたところ、ゆるくない職場では「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」の回答割合がゆるい職場より13.6ポイント高く、特に差が顕著だった。次いで差が開いたのは「1人で進める仕事が多い」で、ゆるい職場がゆるくない職場より13.3ポイント高かった。上司や同僚とコミュニケーションを取りながら仕事を行うことで、「ゆるい」と感じることが少なくなるようだ。
職場環境別の現在の仕事環境

上司や先輩の「積極的なコミュニケーション」が長く働く意向に好影響か

最後に同社は、「上司・先輩の態度や行動で嬉しかったこと」を質問した。その結果、最も多かった回答は「話し掛けてくれる(雑談)」(60.6%)で、次いで「話しかけやすい(雑談)」(39.1%)だった。

また、「褒めてくれる」(36.8%)や「よくないときはきちんと指摘してくれる」(31.4%)は共に3割を超えた。このことから同社は、「上司や先輩は成長のための指導をするだけでなく、雑談などを含めた積極的なコミュニケーションが求められている」との見解を示している。
勤続意向年数別の上司・先輩の態度や行動で嬉しかったこと
本調査結果から、2023年度の新卒新入社員のうち、半数あまりが入社後数ヵ月の時点で「10年以内」の離職を考えていることがわかった。また、「給与」や「上司との関わり」が勤続意向に影響するという調査結果も明らかとなった。若手社員の離職を防ぐには、業務に関するコミュニケーションだけでなく、雑談や相談がしやすい関係性を築くことも重要なポイントなようだ。上司・部下および同僚間での1on1や、面談機会を設けるなどして、コミュニケーション総量を増やす働きかけを積極的に行ってみてはいかがだろうか。

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