株式会社月刊総務は2023年5月30日、「インターンシップについての調査」の結果を発表した。調査期間は2023年4月10日~25日で、全国の総務担当者74名より回答を得ている。これにより、インターンシップによる採用の実施有無や採用予定人数のほか、実施における課題などが明らかとなった。
25卒採用、6割以上が「採用直結型インターン」を実施予定。課題は「学生の集客」や「現場社員の協力」などか

7割以上が「25卒のインターンシップを実施する」と回答

三省合意により、一定の条件下において、2025年卒(以下、25卒)の学生からインターンシップを採用に直結できるようになった。そこで、月刊総務が「25卒のインターンシップが採用に直結できるようになったことを知っているか」を尋ねると、「知っている」との回答は5割程度だった。また、「インターンシップの採用直結に賛成か」を尋ねたところ、「賛成」は7割を超えたという。

そこで同社は、25卒の新卒採用を実施する企業に対し、「今年度、インターンシップを実施する予定か」を尋ねた。その結果、「実施する」が72.1%と7割以上を占めた。

また、「インターンシップを実施する理由」を尋ねたところ、「早期選考で優秀な学生を確保するため」が最も多かったという。以下、「入社後のミスマッチ軽減」、「学生とのネットワーク構築」が続いたとのことだ。
今年度インターンシップを実施するか

「インターンシップによる採用活動を実施」は6割超。「親和性の高い学生」を求める声も

次に同社は、「今年度インターンシップを行う」とした回答者を対象に、「インターンシップによる採用活動を行うか」を尋ねた。すると、「行う」が62.9%、「行わない」が8.6%、「未定」が28.6%となった。

「インターンシップによる採用活動を行う理由」を自由回答で尋ねると、「より親和性の高い学生を採用したいから」や「採用目的でよい学生と巡り合いたいだけでなく、業務上での戦略として期待している」との声が聞かれたという。

また、「行わない理由」を尋ねたところ、「職業体験を経て当社に魅了を感じるか否かは、学生が自主的に考える問題で、当社からアプローチすることはインターンシップ本来の意図から外れると考えるため」といった声があがったとのことだ。
インターンシップによる採用活動を行うか

インターンシップで確保したい人数は採用予定の「20%未満」が4割で最多

続いて同社は、「インターンシップにより採用を行う」とした回答者を対象に、「インターンシップにより、採用予定人数の何割を確保したいか」を尋ねた。すると、「20%未満」(40.9%)が最も多く、以下、「40%以上~60%未満」(36.4%)、「20%以上~40%」(13.6%)と続いた。
インターンシップで採用予定人数の何割を確保したいか

インターンシップの課題は「学生の集客」が最多。「受け入れ態勢が厳しい」との声も

最後に同社は、「今年度、自社でインターンシップを実施する予定」とした回答者を対象に、「インターンシップ実施にあたって課題はあるか」を尋ねた。その結果、「学生の集客」(62.9%)が最も多く、「現場社員の協力を得ること」(57.1%)、「内容の設計」(54.3%)と続いた。

また、自由回答には「学生は新規事業に関わりたいなど、普通の業務ではない特別なプロジェクトを期待していると感じることがある」や「学生が与えられた情報でしか企業研究しなくなる可能性が高い」、「業務が煩雑で、受け入れ態勢が厳しい」などの声があがったという。

一方、「インターンシップ実施にあたり工夫していること」を尋ねると、「先輩社員との懇談会等不安材料の払拭に努めている」や「社員や関連会社社員と学生の交流を促進させる」などの声が聞かれたとのことだ。社員と学生の直接的なコンタクトを通して、仕事や社会に対する不安払拭、および具体的なイメージへとつながる機会を設けていることがうかがえる。
インターンシップ実施にあたって課題はあるか
本調査結果から、2023年度にインターンシップを行う企業は7割以上あり、「インターンシップによる採用活動を行う」とした企業も6割にのぼることがわかった。一方で、実施にあたり「学生の集客」や「現場社員の協力」が課題となっていることも明らかとなった。インターンシップが採用に直結することを受け、今後はより採用活動が早期化していくだろう。企業では、自社の考えや業務内容が理解できるインターンシップの設計、および社員の協力体制の構築が必要となりそうだ。

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