企業の将来を担う若手社員の育成は、持続的な成長や組織活性化を実現する上で不可欠な経営課題である。特に、入社から間もない社員を早期に戦力化し、定着率を高めるには、柔軟な育成アプローチが欠かせない。本調査では、若手社員育成の実態と有効な取り組みを明らかにするためのアンケートを実施した。調査結果は、現場のフリーコメントとともに報告する。(本調査における若手社員は入社5年以内の社員と定義している)

大企業は9割超が「育成計画」あり、中小企業の育成期間は「2年未満」が半数

まず、「若手社員に対する育成計画の作成有無」ついて企業規模別に見てみると、「作成している」は、従業員数1,001名以上の大企業では93%と、ほとんどの企業が育成計画を立てていることが分かる。それに対し、301~1,000名の中堅企業では65%、300名以下の中小企業では52%となっている。大企業では若手育成が体系的に制度化されている一方、中小企業では人材育成の計画的な取り組みが十分に浸透していない実態がうかがえる(図表1‐1)。

【図表1‐1】企業規模別 若手社員に対する育成計画の作成有無

HR総研:若手社員の育成に関するアンケート 結果報告

次に、育成計画を作成している企業を対象に、育成計画の期間を聞いたところ、大企業では「2年以上3年未満」が最多の39%と4割に上っており、「3年以上4年未満」、「4年以上5年未満」、「5年以上」を合計した「3年以上」(以下同じ)も20%に上っている。中堅企業では「1年未満」、「2年以上3年未満」がともに21%で最多となっている。また、「3年以上」は24%と大企業を上回っている。一方、中小企業では「1年未満」が最多で33%となっており、「1年以上2年未満」(22%)と合わせた「2年未満」の割合は55%と過半数を占め、大企業・中堅企業と比べると育成期間が短い企業が顕著に多くなっている(図表1‐2)。

【図表1‐2】企業規模別 若手社員の育成期間

HR総研:若手社員の育成に関するアンケート 結果報告

離職率30%以上の企業では育成期間「1年未満」が半数

次に、離職率と育成計画の期間とも関係性について見てみる。まず、新入社員を採用している企業について、入社後3年以内の離職率を見てみると、「1~5%」が最多で26%、次いで「6~10%」が24%で、「1~10%」(「1~5%」と「6~10%」の合計)が全体の半分を占めており、「0%」が19%などとなっている(図表2‐1)。

【図表2‐1】新入社員の3年以内離職率

HR総研:若手社員の育成に関するアンケート 結果報告

離職率について「離職率10%以下」、「離職率11~30%以下」、「離職率30%以上」の3つの区分に分け、離職率別に育成計画期間を見てみると、「離職率10%以下」の企業では、「2年以上3年未満」が最多の27%と約3割となっている。「離職率11~30%」の企業では「2年以上3年未満」が52%と過半数を占め、中期的な育成に集中していることが分かる。「離職率30%以上」の企業では、「1年未満」が50%となっており、育成計画の期間が顕著に短いことが分かる(図表2‐2)。
1年未満という短い育成期間では、若手社員のスキル習得やキャリア展望の形成が難しく、結果として定着率の低下につながっていることがうかがえる。人材定着を図るには、中長期的な視点に立った体系的な育成プログラムの整備が重要であるといえるだろう。

【図表2‐2】新入社員の3年以内離職率別 育成計画の期間

HR総研:若手社員の育成に関するアンケート 結果報告

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】「若手社員の育成」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2025年8月27日~9月2日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:238件

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