コロナ禍の影響を始めとした外部環境の目まぐるしい変化に対応し、人材育成や研修の在り方も変化していくことが求められている。このような状況の中で、実際の企業の研修はどのような対応をしながら実施し、その効果を得ているのだろうか。
HR総研では「人材育成(階層別研修)」に関するアンケートを毎年実施しており、今年は2021年8月23日〜30日に実施した。
今回のレポートでは、階層別研修の実施状況と、その中でも特に「新入社員研修」「新入社員フォロー研修」に注目して、フリーコメントを含めて報告する。

<概要>
●階層別研修の実施率、大・中堅企業と中小企業との差異が顕著
●オンラインでの階層別研修、「新入社員研修」が最多で半数以上
●新入社員研修の実施率8割
●新入社員の特徴にこれまでと大きな違いは無し
●社会人・自社社員としての必要な基本的知識の習得
●大企業で集合形式とオンライン形式ともに7割、1ヶ月以上が半数近く
●効果測定「アンケート」が6割以上、「効果が出ている」も6割
●フォロー研修の実施時期は「入社半年後」が最多
●新入社員フォロー研修のオンライン実施は大企業でも4割、集合研修を重視

階層別研修の実施率、大・中堅企業と中小企業との差異が顕著

実施している階層別研修では、例年と同様に「新入社員研修」が最多で81%と圧倒的となっており、次いで「新任管理職研修」が46%、「若手社員研修」が37%などとなっている(図表1-1)。
企業規模別に見ると、「新入社員研修」については、従業員数1,001名以上の大企業で91%、301〜1,000名の中堅企業で94%、300名以下の中小企業で70%と、いずれの企業規模でも高い実施率となっているものの、その他の階層別研修については、中小企業の実施率が他企業規模の企業群より顕著に低くなっている。新入社員研修の次に実施率が高い「新任管理職研修」では、大企業と中堅企業では6割を超えるのに対し、中小企業では28%と3割に満たない状況となっている(図表1-2)。

【図表1-1】実施している階層別研修
【図表1-2】企業規模別 現在実施している階層別研修

オンラインでの階層別研修、「新入社員研修」が最多で半数以上

次にオンラインで実施している階層別研修について2020年調査の結果と比較しながら見てみると、「新入社員研修」が昨年同様に最も高く54%(昨年52%、以降同じ)、次いで「若手社員研修」が26%(21%)、「新任管理職研修」が25%(16%)などとなっている。全体的に昨年よりやや増加傾向となっているものの、大きな変化は見られていない(図表2-1)。
企業規模別に見ると、リモートワークを実施している割合が大きい大企業でのオンライン形式実施率が他の企業規模より高く、「新入社員研修」は73%、「新任管理職研修」が49%、「若手社員研修」が44%などとなっている一方、中小企業では最も多い「新入社員研修」でも42%で、「オンライン研修で実施しているものはない」が46%と半数近くに上っている(図表2-2)。

【図表2-1】オンライン形式で実施している階層別研修(2020年との比較)
【図表2-2】企業規模別 オンライン形式で実施している階層別研修

新入社員研修の実施率8割

ここからは、新入社員を対象とした研修について見ていく。
入社直後に実施する「新入社員研修」については、「前年同様実施」が74%で、「今年の新入社員から実施」の4%を合わせると78%と約8割が実施している(図表3-1)。
企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「前年同様実施」が89%、90%とほぼ9割を占める一方、中小企業では58%と6割に届いておらず、「2021年入社の新入社員はいない」が31%と3割を占めている。今年の新入社員がいる企業に絞ると、中小企業の「前年同様実施」は84%となり、いずれの企業規模においても新入社員を受け入れた企業の8割以上が、新入社員研修を実施していることが分かる(図表3-2)。

【図表3-1】2021年「新入社員研修」の実施状況
【図表3-2】企業規模別 2021年「新入社員研修」の実施状況

新入社員の特徴にこれまでと大きな違いは無し

入社した新入社員について、過去の新人より優れている点を挙げてもらうと、「まじめである」が最も多く48%、次いで「自分の時間を大事にする」が34%、「ITに強い」が30%などとなっており、昨年と比較しても新入社員の優れている点の特徴として、これまでと大きな違いは見られないことがうかがえる(図表4-1)。

【図表4-1】これまでの新入社員より優れている点(2020年との比較)
「これまでの新入社員より劣っている点」について見てみると、「受け身的である」が最も多く41%、次いで「競争心が無い」が29%、「叱られることに慣れていない」が26%などとなっており、上位に挙がる項目については昨年と同様となっている。ただし、各項目を挙げる割合がいずれも昨年より小さくなっており、全体的に「これまでより劣っている」と感じさせる新入社員が減少していることがうかがえる(図表4-2)。

【図表4-2】これまでの新入社員より劣っている点(2020年との比較)

社会人・自社社員としての必要な基本的知識の習得

続いて、新入社員研修の内容について見てみると、「社会人としての心構え」が最多で86%、次いで「マナー」が84%、「会社の仕組み・ルール」が76%などとなっており、社会人として自社で働く上で必要な基本的知識等を新入社員に習得してもらうための項目が、主要な内容となっていることが確認できる(図表5)。

【図表5】新入社員研修の内容

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年8月23日〜30日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:197件

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