コロナ禍の影響を始めとした外部環境の目まぐるしい変化に対応し、人材育成や研修の在り方も変化していくことが求められている。このような状況の中で、実際の企業の研修はどのような対応をしながら実施し、その効果を得ているのだろうか。
HR総研では「人材育成(階層別研修)」に関するアンケートを毎年実施しており、今年は2021年8月23日〜30日に実施した。
今回のレポートでは、階層別研修の中でも特に「中堅社員研修」「管理職研修」に注目して、フリーコメントを含めて報告する。

<概要>
●中堅社員研修の実施率3割、新入社員研修より顕著に低く
●中堅社員研修の実施目的、「実務のキーマンとしての役割認識」が最多
●中堅社員研修の課題、「人事・教育担当のリソース不足」が最多
●中堅社員研修のオンライン化が進む、大企業では「オンライン講座」7割
●中堅社員研修の効果、企業規模が小さいほど効果が見えづらい傾向
●管理職研修の実施率、大企業と中堅企業で7割前後
●管理職研修の運営上の課題、「効果測定ができていない」が最多
●受講者が抱える課題、「部下育成力・コーチング力」が7割
●管理職研修もオンライン化が加速、大企業では7割
●管理職研修、過半数で効果を実感できず

中堅社員研修の実施率3割、新入社員研修より顕著に低く

中堅社員研修の実施状況は、「実施している」が34%、「実施していない」が66%で、実施していない企業が多数派であることがうかがえる(図表1)。
企業規模別に見ると、従業員数1,001名以上の大企業では「実施している」と「実施していない」の割合が50%で、同等の割合となっているが、企業規模が小さくなるほど「実施している」の割合が低下し、301〜1,000名の中堅企業で40%、300名以下の中小企業では24%と4分の1以下にとどまっている(図表1-2)。
同調査の前回レポートで記載したとおり、新入社員研修は実施率8割以上であることと比較すると、中堅社員研修の優先度が顕著に低い企業が多いことが分かる。

【図表1-1】中堅社員研修の実施状況
【図表1-2】企業規模別 中堅社員研修の実施状況

中堅社員研修の実施目的、「実務のキーマンとしての役割認識」が最多

中堅社員研修を実施している企業の実施目的を見ると、「実務のキーマンとしての役割認識」が32%で最も多く、次いで「職場の問題解決能力向上」が29%、「リーダーシップ/フォロワーシップスキル習得」が27%などとなっている(図表2-1)。
企業規模別に見ると、大企業では「職場の問題解決能力向上」が最多で46%となる一方、同項目について中堅企業では31%、中小企業では22%と2割程度となっている。「リーダーシップ/フォロワーシップスキル習得」も同様で、大企業では43%と4割以上であるのに対し、中堅企業で35%、中小企業では16%と2割未満にとどまっている。中堅・中小企業で最も多いのは「実務のキーマンとしての役割認識」で、それぞれ39%、29%となっている(図表2-2)。中堅社員研修の目的から、企業規模により中堅社員に求める能力やスキルが異なることがうかがえる。

【図表2-1】中堅社員研修の実施目的
【図表2-2】企業規模別 中堅社員研修の実施目的

中堅社員研修の課題、「人事・教育担当のリソース不足」が最多

中堅社員研修の運営上の課題としては、「人事・教育担当のリソース不足」と「実施効果の測定ができていない」がともに最多で37%、次いで「受講者の意識」が33%などとなっている(図表3)。
新入社員研修は社会人として最低限必要な知識や心構え等の習得をメインに必須として実施し、比較的効果も測りやすい内容である一方、中堅社員研修は、効果を測定しにくい内容が多く、効果の見えづらい研修にかける人的リソースをなかなか確保しづらいという実情もあるのだろう。

【図表3】中堅社員研修の運営上の課題

中堅社員研修のオンライン化が進む、大企業では「オンライン講座」7割

中堅社員研修の実施形式は、「集合研修」が最も多く64%、次いで「オンライン講座」が37%、「eラーニング」が27%などとなっている。昨年調査時と比較すると、「集合研修」は昨年値88%から24ポイント低下している一方、「オンライン講座」は19%から18ポイント上昇、「eラーニング」は17%から10ポイント上昇しており、集合研修からオンラインを活用した研修に移行する企業の様子がうかがえる(図表4-1)。

【図表4-1】中堅社員研修の実施形式(2020年との比較)
企業規模別にみると、大企業では「オンライン講座」が最多で67%、次いで「集合研修」が57%などとなっており、中堅・中小企業では「集合研修」がそれぞれ82%、56%で最も多く、「オンライン講座」はそれぞれ27%、24%となっている(図表4-2)。
大企業では中堅社員研修のオンライン化が広がっているものの、中堅・中小企業では依然として「集合研修」が主流であることがうかがえる。

【図表4-2】企業規模別 中堅社員研修の実施形式

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年8月23日〜30日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:197件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
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