株式会社マネーフォワードは2025年10月1日、従業員エンゲージメント領域へ本格参入することを発表した。新たに提供を開始する『マネーフォワード クラウド適性検査 powered by ミキワメ』および『マネーフォワード クラウドサーベイ powered by ミキワメ』は、従業員の性格把握や心理状態可視化を可能とし、採用・配置・マネジメント施策の強化を後押しするもの。バックオフィス系クラウドサービスを中心に事業展開してきた同社の、労働市場の流動化や離職リスクの高まりを背景にした“人事労務領域での次の一手”は注目だ。

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マネーフォワードが「従業員エンゲージメント」領域に本格参入。エンゲージメント可視化で離職防止を支援、その狙いとは

マネーフォワードがHR領域で築いてきた基盤

マネーフォワードはこれまで、『クラウド勤怠』、『クラウド人事管理』など人事労務業務の効率化を支えるサービス提供に注力してきた。また近年は『クラウド福利厚生賃貸』など“働く環境”の改善領域にも取り組んでおり、HRテックの総合プラットフォーム化を進めている。同社の今回の従業員エンゲージメント領域参入は、それら基盤を活かした拡張として位置づけられている。


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新サービスの内容と特長

マネーフォワードが新たにリリースするのは、以下の2つのサービスだ。

●マネーフォワード クラウド適性検査:性格検査を通じて従業員の性格をデータ化し、配属適性・部署相性分析・自社採用基準との比較などが可能。

●マネーフォワード クラウドサーベイ:定期的なサーベイで従業員の心理状態を可視化し、離職リスクや要ケア者を検知。性格傾向や過去回答との差分も踏まえたアラートやケア方法も自動的に提示される。

両サービスを併用すれば、入社前から入社後までを通じた社員理解と施策設計が可能となる。トライアル利用から分析解説まで無料提供される点も導入のハードルを下げる工夫といえる。

なぜ今、エンゲージメント領域への参入か

現在、労働人口の減少や人材の流動性上昇により、採用ミスマッチや早期離職は企業の大きな課題である。特に、従業員の心理状態や適性を把握できないまま進めた人材配置が離職リスクを高めるとの指摘がある中、マネーフォワードはこの課題を解決するソリューションとして、エンゲージメントの可視化・把握を標準サービスに据えようとしている。

加えて、ユーザーがすでに人事労務系サービスを利用していることを前提に、従業員理解から施策改善までワンストップで支援できる設計は、ユーザーにとっての価値を高める差別化ポイントとなる。

参入によるインパクトと今後の展望

同社の従業員エンゲージメント領域への参入は、HR領域における垂直統合型サービスのモデルケースになりうる。これまで「効率化支援」中心だった事業モデルに、「人を理解し活かす」層を加えることで、HRテックサービスをより「人事戦略」に近づける方向性を示す。

とはいえ、定着や価値創出を伴わせるには、導入後の運用支援や組織文化との整合性を高める実践支援が重要となる。本参入が成功モデルとして機能すれば、他のクラウド系HR事業者にも波及し、HR技術競争と人材戦略競争を融合させる動きの一端を担う可能性がある。
マネーフォワードはこれまでの「業務効率化支援」から一歩踏み込み、企業が“人を理解し、活かす”ための仕組みづくりへと軸足を移す動きを始めている。採用難・定着難が続く中、エンゲージメントの可視化とデータに基づく人材マネジメントは、今後の組織成長における重要テーマとなるだろう。同社の挑戦をきっかけに、HRテック市場における新たな競争が始まるのだろうか。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001508.000008962.html

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