株式会社ネオマーケティングは2025年5月23日、20歳以上の男女を対象に実施した「AIエージェント」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2025年4月7日~8日で、1,000人から回答を得ている。調査結果から、業務におけるAIの利用実態やその業務内容、効率化を実感している人の割合などが明らかになった。

【人事部門のAI活用】人事・労務の3人に1人が「業務にAIを利用」。効率化を実感している割合とは

「業務の5割以上がルーティンワーク」とする人が約6割

生成AI技術の進化が加速する現代において、その業務活用への期待は高まっている。最近では生成AIの業務活用を推進する企業も増えており、活用を意識して関心を寄せる人も多いだろう。では、実際に働く現場でのAIの利用状況はどうなっているのだろうか。

はじめにネオマーケティングは、「普段の業務におけるルーティンワークの割合」について尋ねた。その結果、「業務の5割以上がルーティンワーク」と回答した人の割合は、全体では58.2%(9割以上:18.6%、7割~9割程度:19.4%、5割~7割程度:20.2%)と半数を超えた。

同割合について職種別で結果を見てみると、特に高かったのは「財務・会計・経理」や「事務・総務」で、75%以上が“業務の半分以上がルーティンワーク”と捉えていた。他方で、専門性の高い「士業」においても半数を超える59.5%が回答している。職種による違いはあるものの、様々な業務領域でAIを活用できる場面はありそうだ。
普段の業務におけるルーティンワークの割合

「業務におけるAI利用率」は16.8%。人事・労務や情報システムでは3割以上に

次に、「業務におけるAI利用率」を調べたところ、「利用している」(とても利用している、やや利用しているの合計)との回答は16.8%にとどまった。一方、「人事・労務」(39.1%)や「情報システム」(34.5%)では、3人に1人以上が業務においてAIを活用していることがわかった。
業務におけるAI利用率

AIを利用している業務は「文章作成・編集・要約」や「日々の情報収集」など

そこで同社は、「AIを利用している」とした人を対象に、「AIを利用している業務内容」を尋ねた。その結果、最多となったのは「文章作成・編集・要約」で55.4%、次いで「日々の情報収集」が44%となり、業務の中でも“下準備”にあたる部分における利用が多いことがうかがえる結果となった。

一方、「顧客対応・カスタマーサポート」(17.3%)や「メール・チャット対応の自動化」(16.7%)などは低い割合となり、定型的かつルーティン的な業務におけるAI活用は少ないことが分かった。
AIを利用している業務内容

“AIによる効率化”実感率は8割以上に

続いて、同じくAI利用者を対象に「AIによる効率化実感率」を調べると、85.7%が「実感している」(とても実感している:25%、やや実感している:60.7%)と回答した。
AIによる効率化実感率

“将来的なAIの浸透”に肯定的なのも「人事・労務」や「情報システム」

最後に、全員に対し「今後AIは人々の生活に浸透していくと思うか」と尋ねた結果、「浸透していくとした割合は全体の52.1%となった。半数あまりが「浸透していく」との見解を持っていたものの、残りの約半数は確信を持っていなかったほか、「どちらとも言えない」との回答が33.6%にのぼったことからも、AI浸透に対する認識がまだ定まっていない様子がうかがえた。

一方、職種別に回答傾向を見てみると、「人事・労務」(73.9%)や「情報システム」(65.5%)など、前向きにAIを活用している職種ほど将来的なAIの浸透にも肯定的である傾向が見てとれた。
今後AIは人々の生活に浸透していくと思うか
本調査では、特に人事・労務や情報システムといった特定の職種でAI利用が先行している傾向や、効率化を実感する一方で漠然とした不安も抱えている傾向がうかがえた。企業がAI技術の導入を進める上では、単に効率化を追求するだけでなく、職種ごとの特性や、利用者が抱く信頼性・セキュリティへの懸念に真摯に向き合うことが重要と言えそうだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000585.000003149.html

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