塩野義製薬株式会社は2023年7月10日、「特別早期退職プログラム」の実施について、同日に開催された取締役会において決議したと発表した。同社は同年6月に中期経営計画を改訂しており、同計画の達成に向けた取り組みの一環として本プログラムの実施に至ったという。これにより、「グローバルな成長」や「新規事業の確立・成長」の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速していく考えだ。
200名規模の「特別早期退職プログラム」の実施へ。塩野義製薬、グローバルな成長や新規事業の確立を目指す

中期経営計画のフェーズを繰り上げ、早期退職プログラムの実施へ。経営基盤強化を図る

塩野義製薬は2020年6月に、中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030」(以下、STS2030)を策定し、事業変革や経営基盤改革を強力に推進してきた。これは、企業を取り巻く環境や社会の要請が激しく変化する中でも、製薬会社として人々の健康と持続可能な社会の実現に貢献し続けるという社会的使命を果たしたいとの考えからだ。

さらに、これまでの取り組みによる成果と学びから、「SHIONOGI Group Vision」(2030年Vision)の達成に向けた道筋がより明確化したことにより、数年単位で設定していたフェーズを前倒して、2023年6月にSTS2030を改訂した「STS2030 Revision」を発表した。

同社は、「STS2030 Revisionの達成には、感染症領域を中心としたグローバルでのトップラインの成長とともに、積極投資による新製品の上市やワクチンの事業に代表される新規事業の確立など、さらなるトランスフォーメーションによる成長をこれまで以上のスピードと推進力をもって実現していくことが必要」と考えたという。

そこで、STS2030 Revisionのフェーズ2において、同社は「経営基盤の強化と持続可能な社会への貢献」を成長戦略として掲げた。これにより、さらなる成長フェーズに移行するための経営基盤構築の基本方針である、「『構造』を変え、構造を動かす『プロセス』を変え、プロセスを運営する『人材』を育てることで、価値を想像する」をもとに、変革を進めていくという。

このように同社では、ビジネスモデルを変革しながら同中期経営計画を達成するには、全ての業務において新たなケイパビリティの獲得に貪欲に取り組む必要があると考え、前例のない挑戦に果敢に挑むことでグローバルな競争に勝ち抜ける強い個人を育成するとともに、人材の多様性を最大限に活かす組織の構築を進めるなど、さまざまな経営基盤の強化に取り組んでいるとのことだ。そこで今般、STS2030 Revision達成に向けた取り組みの一環として、「特別早期退職プログラム」の実施に至ったという。

「早期退職プログラム」の実施により約200名の早期退職希望者を募る

本プログラムの概要は、以下の通り。

1.対象者:2024年3月31日時点で50歳以上かつ勤続年数5年以上の社員
2.募集人数:約200名
3.募集期間:2023年8月1日から2023年9月20日(予定)
4.退職日 :2023年10月31日
5.優遇措置:(1)通常の退職金に特別展新支援金を加算して支給
       (2)希望者に対して再就職支援サービスを提供


なお、対象者については、2023年7月1日時点でマネージャーラインに従事する者、および一部の幹部職層は除くとしている。また、本プログラムの実施に伴い発生する特別転身支援金などの費用は、2024年3月期第2四半期において計上する予定だという。業績への影響については、今後の応募状況などを精査した上で社内に共有していくとのことだ。

同社では、本プログラムの実施を通じて、「グローバルな成長」や「新規事業の確立・成長」の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速していきたいとしている。

改正された高年齢者雇用安定法(70歳定年法)により、中高年層の再活躍やキャリア開発の機会もさらに増加していくと考えられる。今後も自社の成長や生産性の向上を目指す企業では、こうした早期退職プログラムの実施も視野に、優秀な人材を確保するための施策を検討していきたい。

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