今回は、同大学就職課の河原明弘氏に、現在の学生の動向や、企業との接点を創出する「キャンリクフォーラム」に参加する意義についてお話を伺いました。
【ゲスト】
河原 明弘氏
神奈川大学 就職支援部 就職課(みなとみらいキャンパス)課長 / 全国私立大学就職指導研究会 幹事
法政大学第二法学部卒業。1993年4月新卒で学校法人神奈川大学に入職。
第二部教務課、総務課、入試センター、教務課、附属学校事務室、学生課の業務を経て、2023年横浜キャンパス就職課。2024年より現職。
自然豊かな湘南ひらつかキャンパスに10年半ほど勤務していたこともあり、森をとりまく環境に興味がある。好きな樹木は檜。

Q1. 大学の最も大きな特長・強みについて
1928年に創立された本学は、2028年に創立100周年を迎えます。文系理系合わせて11学部23学科1プログラムありますので、要するに総合大学ということになります。
横浜と、みなとみらいの二つのキャンパスがあります。
1学年あたりの学生数は平均約4,500人になります。
出身地別に見ますと、神奈川県出身者が大体半数です。 あとは東京都出身者が1割、それ以外の方が4割くらいとなっており、比較的地方出身の学生の割合が高い大学です。
男女比は男子学生が7割、女子学生が3割ですが、みなとみらいキャンパスは半数程度が女子学生です。みなとみらいキャンパスには、経営学部国際経営学科、外国語学部、国際日本学部といったグローバル系の学部がありますので、女子学生の人気が高いのではないかと思います。

Q2. 学生の特長と進路状況について
来訪される企業様や、イベントで情報交換する企業様からの本学卒業生に対しての印象は、『真面目で会社の中で中心的な存在で活躍している』といった評価をいただくことが多いです。実際、学生も決して派手ではないですが、コツコツ努力する学生が多いかと思います。年間の卒業生のうち約85%の学生が就職して、5%の学生が大学院へ進学します。
就職先を見ると、2025年入社だと東京本社の企業が56%、神奈川本社の企業が23%となっています。 「せっかく横浜に出てきたのだから、横浜や東京で働きたい」という学生は多いですが、およそ2割の学生は地方に就職しています。地方出身者に対するUIターン就職への支援にも力を入れているところです。
就職先の業種は様々ですが、手厚い対策講座を設けているエアライン業界や、対策講座に加えて学部独自で養成プログラムを設けている公務員団体に就職する学生が多いのも特長のひとつです。
加えて近年の特徴は、どの学科からもIT企業へ進む学生が増えてきていることです。
「勤務地はどこでもいいからとにかくその企業に入りたい」といって、全国展開している大企業に就職する学生ももちろんいます。

Q3. キャリアセンターの利用状況とイベントについて
大体2人に1人の学生が、在学中に一度はキャリアセンターに相談に来ているかと思います。インターンシップを含め、「就職活動は何から始めればいいんでしょうか」という低学年生から、「明日面接なんですけど、面接の練習をやってください」という学生まで千差万別。初歩的なことから実践的なことまで本当に幅広いですね。
あとは、履歴書やエントリーシートの添削なども多いですね。
就活イベントは、4年生向けの合同企業説明会を3月から1月まで毎月2回くらいずつ、1回につき5〜6社の企業にご協力いただき、対面やオンラインで実施しています。
1~3年生向けには「業界研究フェア」という企業参加型イベントを実施しているのですが、多いときには200人くらいの学生が参加することもありました。これまでは12月~2月に開催していましたが、正直なところ、そのタイミングが「業界研究フェア」の初回では、少し遅いなという感覚がありました。
そこで今年度、2025年度からは開催時期を大きく見直し、ゴールデンウィーク明けの5月中旬に「春」、夏の試験が終わった8月に「夏」、10月下旬に「秋」、そして12~2月に「冬」と、年4回開催する形に切り替えたんです。今年度からの新しい取り組みですね。
夏に開催した回では、200人ほどの学生が参加しました。全学年対象の企画でしたが、2年生が3割ほど、1年生も1割ほど参加してくれ、低年次にも需要が大きいことが分かりました。
2025年の2月に実施した回と同じくらいの参加があって、「これは学生の動きが明らかに早くなっているな」と感じましたね。2年生がこれだけ参加するわけですから、本当に反応の早さに驚きます。
ここ数年を振り返ると、大学が主催するイベントは参加者数が年々減っていく流れが続いていました。ただ、今年度に入ってからはその流れが変わってきたと感じています。実際、さまざまなイベントで参加者数が増えていて、前年比で見ても明らかに伸びています。
企業側の採用市場が早期化していることを受けて、学生側の就職活動に対する意識が前倒しになってきていて、低年次の段階から積極的に情報を取りに来ている。そんな変化を、「業界研究フェア」を通じて強く感じています。
先ほどお話しした、年4回開催に変更した業界研究フェアと合同企業説明会を合わせて、約800社の企業様にご参加いただいています。
※ 業界研究フェア:学生が業界や企業への理解を深めることを目的に、複数企業が参加する合同型の業界研究イベント。
Q4. 貴学独自のキャリア支援施策について
各学年に合わせた就職ガイダンスや講座を年間約200回実施しています。就職ガイダンスは、全員参加を必須として各学年を対象に開催しています。
新入生・4年生向けには春、2年生・3年生向けには春・秋の2回行っており、新入生や2年生向けには、今後のキャリアを見据えた学生生活の過ごし方などを伝え、3年生・4年生向けには、就活市場の話から具体的な就職活動の対策について伝えています。また、全学年共通で、就職課を積極的に活用するよう案内しています。
UIターン就職支援も行っていて、全国34の自治体とUIターン就職支援協定を締結しています。
あとは、年2回、各都道府県のUIターン担当者を大学にお招きして、学生の相談に対応してもらっています。
また、日経グローカルの「大学の地域貢献度調査」(2025年実施)においては、地方出身学生の就職を促す方策や地方との協定連携の分野において高く評価され、首都圏の大学による一都三県外の地方貢献度分野で、本学が首都圏129大学の中で1位をいただきました。
個別支援としては、国家資格キャリアコンサルタントを保有する就職アドバイザーによる個別相談(横浜キャンパスで最大10名、みなとみらいキャンパスで最大3名、1回35分)を実施しています。相談が多い時期になると、予約受付を開始すると、ほぼ同時に満席になるような状況です。就職アドバイザーは、さまざまな業界で実務経験を積んできた方が中心です。学生にとっては、かなり実践的な話が聞ける場になっていると思います。
また、4年生の就職活動後半、6月以降も採用を継続している企業の中から、我々が学生におすすめできる企業を「ピックアップ求人」としてリストにして提示しています。それを見た学生が窓口に来て「まだやっていますか?」と相談があれば、すぐに企業へ電話して、そのまま面接・内定につながったケースもありました。
本学では年間2万2000社ほどの求人をいただきますが、年末に近い時期でも採用を続けている企業はまだまだ多く、企業と学生の間を「つなぐ役目」がうまく機能しているなと感じています。
また、全国各地で「保護者説明・懇談会」を実施しています。地方出身の学生の保護者の方に各地域のホテルなどへお越しいただき、学長をはじめ、学生生活や学修、就職を担当する職員らが直接説明を行っています。大学としての支援体制や学生の学び・就職に関する取り組みを共有する場として位置づけており、今年は全国22か所で開催しました。
私は就職課に異動して3年ですが、 学生も教職員も本当に真面目なんですよ。
ここまで手厚くやってる大学は少ないのではないかと思います。
Q5. キャンリクフォーラム参加の動機と期待
やはり一度に多くの企業様と情報交換が可能なところですね。年2回開催されているので、その開催時点で「どのような会社が、どのような採用状況であるか」というのをヒアリングできるので、毎回参加させていただいています。
本学も求人はたくさんいただきますが、実際にお会いしてお話ができているのは、ごく一部の企業様に限られてしまいます。やはり直接お話を聞けるというのは、「こういった業界、こういった会社、こういったお仕事があるのか」と改めて気づくこと、発見できることがありますので、そういう場を提供していただけるのはとてもありがたいですよね。
Q6. フォーラムの感想と企業とのその後の関係
ブースの設営や当日の進行も含めて、イベント全体としてとてもスムーズだと感じています。大学側としても、参加される企業の方にとっても、安心して参加できるイベントだと感じています。また、一度関係を築いた企業様とは、その後もメールでのやり取りが続き、年間を通じて、採用活動を行っている企業として学生に紹介するなど、継続的な連携につながっています。このイベントをきっかけに知り合った企業様がかなり増えましたね。
面談時間が10分というのも、ちょうどいいと思います。
キャンリクフォーラムの後、企業様からメールをいただいて、4年生向けに採用活動継続中であれば、「ピックアップ求人」として学生に案内したりしています。
こういった企業様がたくさん集まるイベントを開催していただけることは、本当にありがたいです。これからも期待しています。

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