
働く上で重要視すること:「組織風土の理解」は最下位に
時代の変化とともに、各社で従来の考え方や育成方針の限界が顕在化してきている。この傾向は、新入社員採用や受け入れにおいても同様で、時代に合わせた人材マネジメントが求められている。本調査では、まず「Z世代が働くうえで最も大切にしたいこと」を聞いている。最も多かったのは「社会人としてのルール・マナーの習得」(53.6%)で、この結果は2010年以降の同社調査において過去最高値だったという。一方、「会社の文化・風土を尊重すること」(2.6%)や「会社の理念や価値観に沿った行動」(0.5%)は最下位となり、従来型の組織順応志向が薄れている実態が明らかになった。


Z世代が求める職場観―『助け合い』『やりがい』『共感』
「就職先を選ぶうえで重視していたものは何か?」を尋ねた結果の上位は、1位が「職場の人間関係が良い」(39.4%)、3位が「自分らしく働ける」(35.8%)だった。個の尊重や協働性を重視する傾向が強いことがうかがえる結果だ。

自らの強みや個性を活かすためにも「心理的安全性」を重視する傾向
ここまでの結果について、同社が【理想の職場】と【理想の上司】という軸で過去10年間の結果を比較したところ、25卒新入社員の結果は「個性を尊重しながら助けあう職場」や「よいことをほめながら丁寧に指導する上司」を理想として挙げていた。同社によると、上司に対しても「意見や考え方に耳を傾けること」を約半数が期待していたという。このような価値観は、従来のトップダウン型や同調圧力の強い組織文化とは一線を画すもので、心理的安全性が高い職場を求めているといえる。
不確実性が高いVUCAの時代に持続的な組織成長を続けるためには、変化に柔軟に対応できる「学習する組織」であることが求められる。心理的安全性を高める施策や、個と組織の相互成長を促す環境整備において、今回の調査結果を参考にしてみてはいかがだろうか。
心理的安全性を高める目的(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ資料より転載)
