デキる経営者とは?|採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 11/21開催:キャンリクフォーラム 大学と企業の合同相談会2017

デキる経営者とは?

HRプロ編集部
2015/09/24

筆者がこの仕事に携わって13年目を迎えている。これまで数多くの人格者である素晴らしい経営者の方々に出会うことができた。が、残念ながらそうとは言えない方も少なからずいた。そこで今回は、中小企業の経営者として「デキる経営者」の共通項を筆者の視点で考えてみたい。思うに「デキる経営者」にはみな共通項が存在するからだ。なお、本稿でいう「デキる経営者」とは、社員の定着率が良く、着実に業績をあげている会社の経営者を指している。

私の考える「デキる経営者」共通項3点

1.自らの答えを持って相談する!
 筆者の事務所では日々労務問題が持ち込まれる。その際、内容にもよるが、デキる経営者は、問題に対処する何らかの自分の“解”を持った上で相談に来られることが多い。そして更に、頭の中では筆者がアドバイスした点を勘案しつつ自らの解を客観的に分析した上で、自らの解に不都合があれば修正する作業を協議の最中に行っている。だから決断力があり、解決するまでのスピードが非常に速い。時間は有限の経営資源である。問題に対処する時間というのは、ある一面では非生産的な時間と言える。生産的な事柄に時間配分を費やすべく、「時間」を意識した行動の表れと言うことができよう。

2.「◯◯ない」とは言わない!
 「知らない」・「できない(無理・不可能だ)」・「聞いてない」・「わからない」という言葉を決して遣わない。自身の経営する会社のことであれば、どんな些細な事柄であってもだ。口でどうこうではなく、最終的な全責任を自らが追っていることの覚悟である。この覚悟で臨むからこそ、社員達もついてゆく。
 例えば、昨今の度重なる法改正で労働環境は目まぐるしく変化しており、以前に比べて経営がしづらくなっていることは否めない。法改正をすることが良いことなのか、悪いことなのかは別として、対応しなければ違法状態に陥るのであれば何らかの手を打たなければならない。この時、デキる社長は“どのようにしたら対応が可能か?”あるいは“問題がクリアされるか?”という視点で行動に移す。今すぐに対応できない箇所はピックアップした上で計画を立てる。これに基づき全社に移行の段取りの号令をかけ、その後のチェックも欠かさない。
 これがダメな社長の場合、自らが動けば簡単に解決できるような問題であったとしても「(担当者に任せているから)自分はわからない」、「知らない」を繰り返して問題から逃げてしまう。また、自社の経営環境や景気等の外的要因を持ち出し「できない」として問題を先送りする。

3.自社社員への敬意!
 求人募集に応募した求職者に対し、応募してきてくれたことに対し感謝の意を伝えてから面接に入る社長がいる。面接中の対応も、応募者と対等な関係を築きながら話を進め、雇ってあげようかどうしようかといった上から目線な態度は決してとらない。
 在籍する社員に対しては、日々自社の仕事に精を出してくれていることに感謝し、社員が気持ち良く働けるようにするためにはどのような環境にすべきかを不断に模索し実行に移している。なぜなら、社員の労働環境における意思決定を持つのは経営者に他ならないからだ。そして、社員の満足を第一に考える。会社で大切にされる社員は、会社のお客様を大切にしようとする。社員が気持ち良く働ける職場環境が創造できれば、経営効率があがることを熟知しているからである。
 もっとも、ここで断っておきたいのは、単に社員に迎合している訳ではないということだ。問題社員がいれば厳正な対処をするし、苦渋の決断もする。しかし厳正対処の流れの中においても、一方的に切り捨てるのではなく、事情を聴いて可能な限り守ろうとする。自社のために働いてくれる貴重な社員の一人だからだ。
 一方のダメな社長は、自らの経営者としての能力は棚に上げ、自社の社員をバカ呼ばわりし、お客様第一!と言って社員には見向きもしない。会社に大切にされない社員がお客様に満足を与える仕事をしようと思うだろうか。

おわりに

 最後に総括しよう。上述したこれらこそ、リーダーシップに係る一つ一つの具体的な思考・行動であると筆者は考える。そして、これらは経営者にしかできない事項である。換言すれば、これらの思考・行動をとる(あるいは、とらねばならない)から経営者なのだ。どれもみな当たり前のことを今さら…と思われたとしたら、経営者としての職責を全うされている証だろう。しかし、当たり前のことこそ簡単なようにみえて実際できていないものである。

生意気にも「デキる経営者」をテーマに共通項を示したが、筆者自らの襟を正す意味でも執筆したことにご容赦いただき、今後の参考としていただけたら幸甚である。


SRC・総合労務センター、株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣

プロフィール

HRプロ編集部

「採用」「教育・研修」「労務」「人事戦略」など、人事がイマ知りたい情報をご提供します。 押さえておきたい基本知識から、最先端のニュース関連情報、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届け。

2019卒版 インターンシップ プログラム作成完全マニュアル申込受付中

関連リンク

  • 「働き方改革」・「健康経営」で重要性が増すモチベーション管理・メンタリティマネジメント

    従業員のメンタルヘルスやモチベーションを管理する「メンタリティマネジメント」に注目が集まっている。従来の対症療法的・受動的なメンタルヘルス対策ではなく、積極的に従業員のストレスをコントロールしていく点がポイントだ。 「働き方改革」や「健康経営」が謳われるようになって以降、特にその傾向は強まっており、企業における従業員のメンタルヘルスケア・モチベーション対策は急務である。

  • 労働基準法改正(予定)について

    昨今、働き方改革の気運がある中、労働基準法の大幅な改正が検討されている。厚生労働省では「長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため、労働時間制度の見直しを行う等所要の改正を行う」と、特に労働時間がクローズアップされている。 下記、主な改正予定内容を紹介したい。

  • 「長時間労働で高収入」より「ワーク・ライフ・バランス」 〜『連合』調べ、理想とする社会イメージに関する意識調査

    就業形態が多様化する現代社会において、人々はどのような働き方を望んでいるのだろうか。日本労働組合総連合会(略称:連合)が、働く人が持つ生活意識や社会の理想像を把握するため「日本の社会と労働組合に関する調査」を実施した。調査はインターネット上で行われ、全国の15〜64歳の勤労者(自営業・フリーランス、役員・経営者を除く)1,036名の有効サンプルを集計した。今回の調査結果から、働く人が抱く生活意識や社会の理想像を垣間見ることができる。

  • 「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定。多様性を生かした付加価値創造を目指す

    東急電鉄は9月12日、従業員の多様性を生かす組織づくりの推進による企業の競争力強化を目指し「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定した。 同社は、この宣言により、ダイバーシティマネジメントの推進を持続的な成長のための経営戦略の一環と位置付け、全従業員に浸透させることで、違いを生かした新しい価値を生み出せる企業体を目指すとしている。

  • 65歳以上シニアの再就職はハードル高く。働く場所はないと感じるシニアも

    エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、65歳以上の男女2,000人を対象に「シニアの労働観・労働実態」に関する調査を実施した。同社が以前行った調査では、働く意欲があって働けているシニアは現在の生活の満足度は平均76.0点だったのに対し、働きたいが定期的に働けていないシニアの満足度は平均65.9点であった。これを受けて、今回は働きたいシニアがなぜ定期的な仕事に就けていないのか、その理由についてどう考えているのかについて調査した。(アンケート対象:「とても働きたい」「ある程度は働きたい」と考えているが「不定期に働いている」か「働いていない」と答えた65歳以上の男性131人、女性69人)

  • 従業員モチベーションアップのコツ、ボーナスよりも効果的なのは

    企業の中には、営業の仕事をしている部署にノルマを課しているところも多い。 そしてそのノルマをクリアすると賞与が多く支給され、逆にクリアできないと賞与がなくなる、または降格などのペナルティが課されるといったケースもよく耳にする。 一見シビアで、やればやるほど賞与が上がり業種によっては良い制度のように思われがちだが、このような制度を導入している企業の中には、うまくいっていないところも多い。場合によっては半期の賞与が数百万と支給されるにもかかわらず、人はどんどん辞めていく。 どうしてそのようなことが起きるのだろうか。