株式会社学情は2023年2月22日、2024年卒業予定の学生(以下、24卒生)の「面接」に関する調査の結果を発表した。調査は2023年2月9日に実施され、企業・団体の人事担当者70名より回答を得た。これにより、24卒生の採用における、面接での質問内容・評価ポイントの変更予定の有無や、質問予定の項目が明らかとなった。
“コロナ禍学生”の24卒採用面接では「質問内容」と「評価ポイント」を変更予定の企業も。新卒採用担当者の重視ポイントは?

24卒生の採用面接、2割の企業が「質問内容」や「評価ポイント」の変更を予定

就活において合否への影響力が高い「面接」では、これまで“ガクチカ”(学生時代に力を入れたこと)をアピールする学生が多く見られた。しかし、24卒生は新型コロナウイルス感染症流行下で入学、その後の学生生活を過ごし、行動制限も多かったことから、“ガクチカ”で話せるエピソードが少ないと聞く。そんな中、採用広報解禁の直前であった調査時点で、企業は24卒生に対して質問内容を変更する予定はあったのだろうか。

学情はまず、「24卒生の採用において、『面接で質問する内容』、『評価ポイント』を変更する予定はあるか」と尋ねた。すると、「変更を予定している」(4.3%)と「どちらかと言えば変更を予定している」(15.7%)の合計は20%と、5社に1社は質問内容や評価ポイントの変更を予定していることが明らかとなった。

自由回答からは、「コロナ禍で学生生活を送ってきたことを踏まえて質問したい」や「学生の価値観を知れる質問をしたい」という声のほか、「他社がどのような質問をしているか情報収集し、自社の面接にも活かしていきたい」などの声も聞かれたという。
24卒生の採用で「面接の質問内容」「評価ポイント」を変更予定か

面接で重視するのは学生の「コミュニケーション能力」が最多

次に同社が「面接において重視すること」を尋ねたところ、「コミュニケーション能力」(85.7%)が8割を超え、最も多かった。以下、「協調性」(60%)、「ストレス耐性」(55.7%)、「論理的思考力」(38.6%)と続いた。

また、同社が学生を対象に行なった調査では、「面接においてアピールしたい項目」に関する回答として「協調性」が突出して多かった。以降、「コミュニケーション能力」、「論理的思考」が続いたという。「企業が重視すること」と「学生がアピールしたいこと」は、完全に一致していないことが示唆される結果だ。
面接において重視すること

面接での質問項目は「志望理由」や「学生時代に力を入れたこと」が上位に

最後に同社は、「面接において質問を予定している項目」を尋ねた。その結果、「志望理由」(72.9%)が最も多く、以下、「学生時代に力を入れたこと」(60%)、「どのような社会人になりたいか」(47.1%)と続いた。

その他にも、「入社後に目指すキャリア」や「大学・学部を選択した理由」、「モチベーショングラフを用いて、経験を通じて感じたことや意識決定における判断基準を聞く予定」などの声があがったという。
面接で質問を予定している項目
調査結果から、24卒生の採用面接において、質問内容や評価ポイントを「変更する」もしくは「変更予定」とした企業が2割あることがわかった。また、面接で重視することとしては「コミュニケーション能力」や「協調性」が上位にあがったものの、学生がアピールしたいこととは傾向が異なることが明らかとなった。大学生活をコロナ禍で過ごした24卒生は、それ以前の学生とは環境や経験が異なる部分もあるため、面接時の質問・評価内容を見直す必要があるのかもしれない。

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