不確実性の高い環境の中、組織では従来以上に人事の重要性が増している。しかし、中小企業やスタートアップの場合、人事の専門知識を持ったメンバーが不在なケースも少なくない。株式会社ホリプロデジタルエンターテインメントは、2023年から採用強化を軸とした組織改革の取り組みをスタートさせた。そのタイミングで、同社は事務職の社員を人事担当者に抜擢。人事としての経験がないメンバーが採用の舵取りを行い、半年間で7名の中途社員採用と早期離職ゼロを実現し、現在は20名ほどの組織となり多くの成果を残した。今回、同社コーポレート本部 リーダー 大森 彩実氏に、短期間で採用強化に向けて動き出せたプロセスや具体的な施策のほか、未経験からどのようなインプットを図ったかなどをお伺いした。

プロフィール

  • 大森 彩実 氏

    大森 彩実 氏

    株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント
    コーポレート本部 リーダー

    アパレル企業のPRを10年以上担当の後、2022年、(株)ホリプロデジタルエンターテインメントに入社。コーポレート本部の一員として、経理・総務業務中心に従事し、2023年からは人事業務も担当。2024年4月よりリーダー職を務める。5歳女児を子育て中の時短ワーキングマザー。

「未経験」からなぜ半年で人事施策を成功に導けたのか――ホリプロデジタルエンターテインメントの未経験人事が挑んだ採用改革

一般事務から組織改革を担う人事に抜擢

――人事未経験からご活躍されたとのことですが、大森様のこれまでのキャリアについて、まずは教えてください。

アパレル企業でPR職を経験した期間が長く、出産のタイミングで一度退職しました。復帰しようと、時短勤務ができる企業を探していたところ、株式会社ホリプロデジタルエンターテインメントに縁があって一般事務職として入社したのです。入社後は、経理業務のサポートや備品管理などの総務業務にメイン業務として携わりながら、一部、スカウトメールの送付といった採用業務も対応していました。

――そこから、人事になるまでの経緯が非常に気になります。

当社は、2018年に株式会社ホリプログループのデジタル特化型企業として設立されました。私が事務職として入社したのは2022年で、当時は10数名の会社規模でした。

2023年6月に組織体制の変更に伴い「人事部元年」として組織改革のフェーズに入りました。その際に、コーポレート部長から「人事に挑戦してみないか」と声をかけてもらい、人事として組織改革を担うことになったのです。

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