少子高齢化が加速する日本。国は「一億総活躍社会」の実現を掲げ、障がいの有無に関わらず、誰もが自分の能力を発揮できる社会を作り上げようとしている。各企業がダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指す中、障がい者雇用実雇用率2.5% ※ 1、定着率88.1% ※ 2を誇っている企業がある。障がい者雇用推進の取り組みで第12回 日本HRチャレンジ大賞「採用部門優秀賞」を受賞した株式会社SHIFT(以下、SHIFT)だ。障がい者雇用の専門組織「ビジネスサポートグループ」を立ち上げ、障がい者が伸び伸びと活躍できる環境づくりに励んでいる。同社ビジネスサポートグループの大泉 将氏と、北川 愛氏にお話を伺った。
※1:2022年度(令和4年度)実績 ※ 2:SHIFT FY2022(2021年9月~2022年8月)実績

第12回 日本HRチャレンジ大賞『採用部門優秀賞』

株式会社SHIFT

【実雇用率2.5%、定着率88.1%】
「才能と能力を活かして、みんなが活躍できる社会の実現」を目指した、障がい者雇用の推進

障がい者雇用枠で就業する人が中心となる部署「ビジネスサポートグループ」を設け、従来の枠組みにとらわれない雇用機会を創出する取り組み。自社の強みである業務の可視化・仕組み化を応用した分業体制の実現により、障がいの有無に関係なく才能と能力を活かしながら働くことができる環境を構築。業界平均定着率より高い、88.1%の定着率を実現するなど、障がい者の活躍の場を拡げることに貢献する、優れた取り組みであると、高く評価されました。

プロフィール

  • 大泉 将 氏

    大泉 将 氏

    株式会社SHIFT
    ビジネスサポート1グループ グループ長

    求人広告・人材サービス企業でのマーケティング業務や企業の採用サポート業務に携わったのち、前職では教育・福祉領域企業にて、障がい者の就労サポート業務や地域の障がい者雇用に関する促進業務を行う。2021年1月にSHIFTへ入社し、現在は障がい者雇用を推進するグループのグループ長としてマネジメントに従事。

  • 北川 愛 氏

    北川 愛 氏

    株式会社SHIFT
    ビジネスサポート2グループ グループ長

    人材総合サービス企業で10年以上法人営業・大企業向けのRPO(中途・新卒/正社員・契約社員・アルバイト)、キャリアアドバイザー、人事採用コンサルティングを経て、サービス開発に従事。2018年10月にSHIFT 入社。エンターテインメントHRBP、第二新卒の大量採用の企画立案~運用を経て、現在は、障がい者雇用の企画・採用・管理の責任者として障がい者雇用を推進。

障がい者雇用の職域拡大とキャリア形成を推進。個々の能力を活かし実雇用率2.5%と定着率88.1%を実現

多様な人材が得意を活かして働ける社会をめざし、2015年から障がい者雇用をスタート

――改めて、SHIFTグループにおける「ビジネスサポートグループ」の役割をお聞かせください。

大泉氏:大きく分けて3つあります。1つ目は、SHIFTグループのBPO 機能を担い、事業成長や社会に貢献すること。2つ目は才能と能力を活かし、活躍できる人材の採用と活躍機会を作り続けること。3つ目が、社会価値の創造です。SHIFT は「社会課題の解決」を掲げている会社であり、私たちビジネスサポートグループも、同じ意識をもって障がい者雇用に取り組んでいます。組織としては、色々な部署と関わりながら業務を推進する1グループと、障がい者雇用に関する企画・採用・管理を担う2グループに分かれています。

――現在の障がい者雇用の取り組み状況をお聞かせください。

大泉氏: SHIFTグループのBPO 機能として、約200の定例業務を担っています。スポット業務も含めると400を超えています。いずれも各組織から切り出した仕事で、それぞれの才能と能力、希望するキャリアに合わせて役割をアサインし、働きがいのある環境整備に努めながらチームとして業務を遂行しています。他にも、社会価値の創出や従業員満足度の向上を目的として、「SHIFT 社員アーティスト」の活動や「花卉プロジェクト」などの企画にも取り組んでいます。

――障がい者雇用の取り組みをスタートされた時期と、これまでの推移を教えていただけますか。

大泉氏:SHIFTが障がい者雇用をスタートしたのは2015年です。SHIFT は、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関わらず、それぞれのもてる才能を活かす会社や社会にしたいと強く願っており、一人ひとりが得意なことを存分に活かせる環境作りを目指しています。取り組みを推進した背景には、もちろん法令順守の観点もありますが、障がいのある方はどうしても職域が限られてしまったり、キャリア形成がしにくかったりするという社会課題を解決したい思いがありました。

北川氏:そうして年々、雇用者数が増えていき、2019年には専門組織を作ろうということになり、ビジネスサポートグループが立ち上げられました。私自身が異動してきたのは2020年3月ですが、もうその当時には毎年約30名を採用するほどになっていました。


この後、下記のトピックで、インタビューが続きます。
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●特性を強みにする業務を提案し、現場の生産性向上につなげる
●現場へのヒアリングと個々の能力の見極めで、ミスマッチを防ぎ職域を拡大
●「コミュニケーションの拡充」と「一人ひとりの状態を可視化する仕組み」が定着率向上のカギ
●独自の雇用活動への賛同の声を広げ、障がい者雇用で第一想起される組織に



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