人事制度の新設や全社的な人事改革は、経営や現場の理解を得ることは難しく、時間がかかるものだ。しかし、新潟県燕市で80年近くの歴史があるスワロー工業株式会社は、わずか半年でこれまでになかった「中期計画」、「人事制度」、「教育制度」などを新設。業務改革、風土改革を成功させ、働きがい・働きやすさ双方で成果をあげている。本講演では、その取り組みで第12回 日本HRチャレンジ大賞の「地方活性賞」を受賞したスワロー工業株式会社 経営企画部 部長 太田 友美氏が、人事変革の具体的な詳細や成功の理由などを紹介する。また、講演の後半では、同賞の審査委員であるProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研所長 寺澤 康介がファシリテーターを務め、取り組みを深掘るパネルディスカッションも行われた。

第12回 日本HRチャレンジ大賞『地方活性賞』

スワロー工業株式会社

コミュニケーションを軸にした1計画2制度2改革
~キャリア支援と社員一人ひとりに寄り添う経営が支えとなり、企業内起業家が今日も誕生~

中期経営計画の策定、ワークライフバランスを重視した働き方の定着、学び教え合う組織的育成の環をコンセプトにした教育制度の設計など、総合的な組織改革を実行。これらの取り組みにより、新卒採用母集団の増加が見られるとともに、自己申告書において仕事のやりがいがあると答えた社員が8割に上るなど、堅実な取り組みが成果につながっています。地方企業として模範となるような取り組みであり、地方活性にも貢献していると、高く評価されました。

プロフィール

  • 太田 友美 氏

    太田 友美 氏

    スワロー工業株式会社
    経営企画部 部長

    1997年、ツインバード工業株式会社 (現 株式会社ツインバード) に入社。22年間輸入バイヤーとしてTCD 活動に従事しながら、様々な業務改善企画に参画。2019年、スワロー工業に入社。入社当時は生産管理課、その後半年間で人事課兼任。業務の幅を広げるべく、人事を兼ねた経営企画部を新設。社内改革や人事制度・教育制度の構築、新規事業の立案・立ち上げ、また人材育成コンサルタントとして研修講師や地方自治体との取り組みに携わる。

  • 寺澤 康介

    寺澤 康介

    ProFuture株式会社
    代表取締役社長/HR総研 所長

    1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。

若手の閉塞感打破を目指し、燕三条の中小企業がわずか半年で成し遂げた5つの経営・制度改革

「働きがいNo.1企業」を目指す、スワロー工業の経営・制度改革
スワロー工業株式会社 経営企画部 部長 太田 友美氏

「中期計画」「人事制度」「教育制度」「業務改革」「風土改革」など5つの取り組みを半年で実行

スワロー工業は、雪止め金具や太陽光架台金具など、外装建築金具の企画販売を主力事業としています。2020年にはアウトドア事業「LALPHA」を立ち上げ、幅広いアイテムを展開しているところです。私は4年前、中途でスワロー工業に入社したのですが、当時は若手が閉塞感を抱いており、強い危機感を抱きました。この状況を打開すべく「働きがいNo.1企業」を目指し、施策を考え実行したのです。全体像としては、(1)中期計画(2)人事制度(3)教育制度(4)業務改革(5)風土改革、これら1計画2制度2改革の合計5つの取り組みを、2020年12月から半年弱で実行しました。

この後、下記のトピックで、講演録が続きます。
続きは記事をダウンロードしてご覧ください。

【講演】
「働きがいNo.1企業」を目指す、スワロー工業の経営・制度改革
スワロー工業株式会社 経営企画部 部長 太田 友美氏

●重視した「社員一人ひとりに寄り添う」施策
●「働きがい・働きやすさ」の両方が揃った職場にするために
●働きがい・働きやすさを目指した取り組みの「実際の成果」は
●「起業家のように企業で働く」「地方や中小企業を盛り上げたい」という想いも持ちながら

【パネルディスカッション】
ほぼ人事未経験者が、なぜスピーディーな改革を実行できたのか
スワロー工業株式会社 経営企画部 部長 太田 友美氏
ProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研 所長 寺澤 康介(ファシリテーター)

●ポイントは「提案しやすい環境」と「迅速な経営判断」
●働きがい・働きやすさのある会社の究極は、「自分の子供を入社させたいかどうか」



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