第108回 新型コロナウィルス感染症の拡大で、企業活動・採用活動にどんな影響が出ているのか

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

ProFuture代表の寺澤です。
今回の新型コロナウィルス感染症の拡大について、前回の原稿執筆時の2月初旬の段階では、中国は大変な事態になっているものの、日本国内においてはここまで大ごとになるとは予想しておりませんでした。自分の認識の甘さを痛感しました。
政府からの大規模イベントの開催自粛要請を受けて、数多くの大学が卒業式や入学式の中止に踏み切りました。大学生活の最後の思い出となるべき式典の開催中止は、学生にとっては大変やるせないことでしょう。特に女子学生は、卒業式での羽織袴姿を楽しみにしていた方も多かったと思います。
今回、卒業を迎えられる方々の中で、現役生として大学に入学された方々は、2年前にも悲しい出来事があった世代になります。2018年1月8日、成人式当日に突然休業、そして翌日には全店舗で事業停止となった振袖販売・レンタル会社による「はれのひ事件」です。成人式に楽しみにしていた振袖を着られなかった世代が、今度は卒業式での羽織袴も実現しないこととなってしまったわけです。さらに、入社先によっては、入社式の開催中止を決めた会社もあるようです。なんという運命の巡り合わせでしょうか。本当に気の毒でなりません。これからは、これらの嫌な思い出を吹き払うような、楽しい出来事が数多く訪れることを祈らずにはいられません。どうか、気を取り直して、これからの社会人人生をスタートしてほしいものです。

さて、HR総研では、「新型コロナウィルス感染拡大による企業活動・採用活動への影響」についての緊急調査を実施しましたので、今回はその結果を報告したいと思います。緊急調査は2月13日〜18日に実施しましたが、その後の政府からの「不要不急の外出自粛」「大型イベントの開催自粛」「小中高の臨時休校」等の要請を受け、リクルートキャリア、マイナビ等の就職ナビ会社が主催する就職イベントの相次ぐ中止や、企業による出張抑制、外部の会合への出席自粛、大規模なテレワーク実施など、最初の調査から2週間ほどのうちに世の中の情勢が一変したことから、2月28日〜3月4日に一部設問を新たに追加した上で、再度調査を実施しました。初回調査と再調査との比較も含めて、各企業の最新動向について紹介します。

8割の企業が「企業活動に影響あり」

再調査における「新型コロナウィルス感染拡大による企業活動への影響」については、「影響がある」が55%、「まあまあ影響がある」が25%となっており、「多少なりとも影響がある」(「影響がある」と「まあまあ影響がある」の合計、以下同じ)が80%を占めています[図表1]。初回調査(56%)と比較すると24ポイントも増加しており、初回調査時から再調査時までの2週間ほどのうちに、企業の動向が大きく変化していることが分かります。
再調査結果について企業規模別に見ると、大企業では「多少なりとも影響がある」は94%、中堅企業(従業員数301〜1,000名)では86%、中小企業では71%となっており、初回調査と比べると、いずれの企業規模においても、影響があると認識する割合が大きく増加しています。その中でも、企業規模に比例して「多少なりとも影響がある」と認識する割合が高く、大企業では9割以上に上っています。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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