対策の継続は「3月まで」を見込む企業が4割

このように、多くの企業で緊急の対策が取られているものの、早期の感染拡大の収束の目途が立たない状況にある中、企業は現在実施している対策をいつまで継続することを見込んでいるのでしょうか。

「対策中・検討中」である企業に対して「対策継続期間の見込み」を聞いてみると、「未定」が47%で最多であり、次いで「3月」が41%となっています。感染拡大の収束への目途が立たず政府の方針が変化し続ける中で、企業は判断しようのないことから「未定」が多くなるのは当然である一方で、いつまでも企業活動を自粛し続けるわけにもいかないため、希望的観測の下、「3月(までには収束してほしい)」が4割を占める結果になっているのではないでしょうか。

企業規模別に見ると、大企業と中小企業では「未定」がそれぞれ56%、46%で最多であり、次いで「3月」がそれぞれ33%、42%となっている一方、中堅企業では「3月」が51%で最多であり、「未定」が38%と逆転しています。

採用活動への影響を懸念する大企業・中堅企業は7割

続いて、「採用活動への影響」についての調査結果を報告します。合同企業説明会の中止、オンライン配信への切り替えなど、企業も就活生も多大な影響を受けている様子が続々と報道されています。初回調査の段階では、採用活動への影響を感じる企業は1割にとどまっていましたが、現状ではどのような状況になっているのでしょうか。

まず、「採用活動に関する影響の有無」について、再調査では「影響がある」が33%、「まあまあ影響がある」が26%となっており、これらを合計した「多少なりとも影響がある」は59%と6割に上り、初回調査(11%)より大幅な増加となっています[図表7]。逆に、「大して影響はない」とする企業は15%で、初回調査(51%)より36ポイントも減少しており、2週間前までは採用活動への影響は他人事と考えていたところ、突然大きな影響を受けてしまっているという企業が多くあることがうかがえます。
第108回 新型コロナウィルス感染症の拡大で、企業活動・採用活動にどんな影響が出ているのか
企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「多少なりとも影響がある」がそれぞれ70%、74%と7割を占めており、中小企業では45%となっていることから、現状としては、中堅企業以上に影響を受ける企業が多いことがうかがえます。企業規模が大きい企業ほど、多くの合同説明会への参加や大規模な自社開催セミナーを予定していたでしょうし、エントリーする就活生、ひいては面接する就活生の規模も大きくなります。したがって、自社開催セミナーや面接においても多くの就活生を受け入れることによる感染拡大のリスクが大きくなるため、開催中止やオンライン化による対応を余儀なくされているとみられます。また、大企業ほど、在宅勤務の推進や、一定以上規模のイベント開催・参加の自粛といった社内ルールの策定が進んでおり、そのルールの発信元である人事部門としては率先してルールを順守せざるを得ない状況に追い込まれているという事情もあります。

「採用スケジュールの遅延」に影響が8割

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