研修では最後によく「アクションプラン立案」と題して行動計画を立てさせることがあります。
職場に帰ったら「やること」「実践すること」というワークシートに書き込むのです。
これは別に悪いことではありません。研修をやりっぱなしにしないために、行動計画を立案し共有することで行動実践をコミットさせる方法は、一般的な研修の手法です。
ところが、その計画が「いっかいこっきり」のことを書かれていても「やるだけ」で終わってしまう危険があります。
第60回 行動計画と行動習慣の違い
大事なのは「行動を続けてもらうこと」です。
そして、目標達成に効果的な行動に改善し続けてもらうことです。

ですから、私たち研修デザインをする側が認識しなければならないのは
「研修で立てたアクションプランがベストであるはずがない」ということです。

ビジネス環境は毎日変化するわけですから、日々職場で起きる変化に対応して、行動を改善し続けてもらう必要があります。
その前提を踏まえて、研修時点でアクションプランを立てさせるとすると、どのようなものになるでしょうか。

それは「行動習慣を計画させる」ということです。
いっかいこっきりではなく、やり続けることを計画するのです。

「毎日朝礼のときに部下一人一人にアドバイスを行う」
だとか
「お客さまと商談するたびに、ニーズや不満をお聞きする」
といったものです。

もちろん、これらアクションプランの上位には目標があるはずです。
例えば、
「部下の業績を前年対比で倍増とする」
だとか
「お客さま満足度のスコアを1.5倍にする」
といったものです。
目標ですから、メジャー(測れるもの)であることは当然です。
行動習慣の計画であれば、その目標とてらした場合、たとえ“できた”としても「まだまだ改良の余地があるな」ということで行動改善が生まれます。
いっかいこっきりの「やること」を計画しても「やったからOK」となってしまい、次なる行動への思考が動きません。

行動習慣は仕事の“質”を高める思考
行動計画は仕事を“さばく”思考


この違いは大きいのです。
どうでしょうか。
単にアクションプランの立案といっても、奥が深いものなのです。

さあ!
『研修担当の皆さん! 行動習慣を計画させる研修を実践しよう!』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策

永谷研一著
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(書籍版)
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