みん就株式会社は2025年5月14日、「2026年卒 IT業界新卒就職人気企業ランキング」を発表した。同ランキングは、2024年度(2024年4月~2025年3月)に同社が行った“志望順位”に関するアンケートをもとに集計したもので、コロナ禍以降で最多となる約3,900人の学生が投票したという。学生の間で生成AIの活用が急速に広がる中、IT業界全体の人気がさらに高まっていることがうかがえるランキングとなった。

IT業界の新卒人気ランキング―NTTデータが16年連続首位も、生成AI活用の加速で変わる就活【みん就調査】

「NTTデータ」が16年連続1位、AI活用企業も躍進

2024年以降、『ChatGPT』などの生成AIが大学生活や就職活動において一般的に使われるようになっている。株式会社マイナビの「2024年卒大学生活動実態調査(5月)/2025年卒大学生活動実態調査(5月)」によると、2025年卒の就活生のうち60%以上が、生成AIを利用した経験を持つという。また、そのうち半数以上が就活にも生成AIを活用しており、企業選びの基準として「生成AIの導入・活用の積極性」を重視する学生も増えているようだ。

今回の総合ランキングでは、「NTTデータ」が1位を獲得し、2010年の調査開始以来16年連続での首位獲得となった。同社は事業規模や社会貢献性、充実した研修・キャリア支援制度、多様性を尊重する人材育成方針が高く評価されている。

また、2位には「富士通」と「SCSK」が同率でランクイン。以下、3位は「伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)」、4位は「Sky」、5位は「オービック」と続いた。

昨今の技術革新の進化や社会構造の変化を受け、ランキングではAIを積極的に活用するSIer(システムインテグレーター)が昨年よりも順位を伸ばした。企業のAI活用姿勢が人気動向に影響を与えていることがうかがえる結果だ。
みん就 2026年卒 IT業界新卒就職人気企業ランキング

IT業界人気の広がりと学生の多様な志望理由

今回、調査に参加した学生数が過去最高だった状況からもわかるように、IT業界は「理系・情報系学生の就職先」という枠を超え、文理問わず幅広い学生から人気を集めている。みん就によると、その理由として「汎用性の高いスキルが身につく」、「転職市場でも活かせるキャリア形成が可能」、「AIやDX推進など成長領域で働ける」、「柔軟な働き方(リモートワーク、フレックス、週休3日制など)への期待」などが挙げられるという。

さらに、同社は「単純作業はAIに置き換わる」という危機感から、AIを使う側に回ろうとエンジニア職を志望する学生も増加しているのではないかとの予測を述べている。生成AIの普及は、学生の“キャリア観”や“企業選びの軸”にも大きな影響を与えているようだ。企業の採用担当者は、AI・デジタル技術への積極的な取り組みや、柔軟な働き方の実現、スキルアップ支援策を積極的に発信することで、優秀な学生層の獲得につなげることができるだろう。

なお今回の発表では、2010年以降、過去16年分のIT業界新卒就職人気企業ランキングがIT技術・トレンドの変遷と合わせて発表されている。

●2010~2011年:SNS黎明期──mixiが就活生人気を獲得
●2012年:4G回線の普及──スマホ時代の到来
●2015年:AIブームの幕開け──人工知能への積極投資企業が人気を獲得
●2020年:楽天が携帯サービス本格参入
●2022年:GMO新卒給与を710万円に引き上げ──加速する新卒売り手市場
●2024年:生成AIと就活──Z世代のシン・就活


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000149.000016325.html
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000149.000016325.html

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