キリンが2022年新卒採用において、エントリー動画選考にAIを活用する実証実験を導入

キリンホールディングス株式会社(以下、キリングループ)は2021年3月5日、2022年卒の新卒採用の選考において、「エントリー動画選考でのAI活用の実証実験」を実施すると発表した。本実証実験では、HRテクノロジーのスタートアップである株式会社ZENKIGEN(以下、ZENKIGEN)が開発した採用DXサービスを活用し、AIが応募者のエントリー動画を解析。これにより評価のブレを減らし、動画選考の時間短縮を目指すという。なお、2022年卒新卒採用での選考過程において、本実証実験の解析結果を合否判定に利用することはないという。

AIによる動画解析で、選考時間を約3割削減

新型コロナウイルス感染症拡大下における昨今の採用市場は、選考の「オンライン化」が進むなど、大きな転換期を迎えている。このような中で、従来の対面選考のように、評価者の「技量」や「経験則」に頼った人材の見極めが困難になりつつある。さらに、オンライン選考が今後の選考の主流となることで、応募者数の増加も見込まれる。それに伴い、企業が人材の見極めに要する時間と人手は、これまで以上に必要になると予想され、デジタルテクノロジーを活用した業務プロセスの見直しの必要性が高まっている。

キリングループは、2019年に長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定。その中にある「イノベーションを実現する組織能力」のひとつに、「価値創造を加速するICT」を掲げている。今回、そのビジョンを採用活動にも適用すべく、ZENKIGENが提供する採用DXサービスの動画解析AI「harutakaエントリーファインダー」を利用した実証実験を開始するに至った。

本実証実験では、2022年卒の新卒採用に対する応募者の中から、事前承諾を得た応募者のエントリー動画をAIが解析。応募者の「表情」や「声」などを定量化して選考におけるひとつの指標とすることで、評価のブレを減らし、評価精度が向上するかを検証する。これにより、エントリーシートおよびエントリー動画選考にかける時間を、従来の約3割削減し、その時間を利用して応募者一人ひとりに対する選考時間の増加につなげる他、交流会やセミナー・面談など、双方向のコミュニケーション機会や、選考機会の拡大にもつなげる考えだ。

同グループは、「採用活動におけるDX推進を通じて、応募者と企業のコミュニケーションの充実を図り、相互理解や満足度の向上など、より良い就職活動の場を提供していく」としている。

急速に進んだ採用のオンライン化により、学生の適切な評価に課題を抱える企業も多いのではないだろうか。デジタル技術の活用が、それらの課題を解決することに繋がるか、今後の動向にも注目が集まりそうだ。