そこでは、
教授法設計理論の父ロバート・M・ガニエ教授の理論
・「ガニエの9事象」
フロリダ州立大のケラー教授が提唱している学習意欲を高めるモデル
・「ARCSモデル」
の学習理論を説明しました。
1)学習者の注意を喚起する
2)授業の目標を知らせる
3)前提条件を思い出させる
4)新しい事項を提示する
5)学習の指針を与える
6)練習の機会を作る
7)フィードバックを与える
8)学習の成果を評価する
9)保持と転移を高める
「ARCSモデル」
1)注意(Attention) 学習者に興味
2)関連性(Relevance) 学習者に「やりがい」
3)自信(Confidence) 学習者に成功の機会
4)満足感(Satisfaction) 学習者を正当に評価
その中で、参加者が「やれてないなー」と議論になったのがガニエの9事象での
8)学習の成果を評価する
ARCSモデルでの
4)学習者を正当に評価して満足感を与える
部分です。
資格試験対策のように、達成度がテストで測れる研修やロープレがある研修のように、これができれば合格という明確なゴール設定がある研修は問題ありません。
一方で「リーダーシップ行動」や「チェンジマインド」のように、行動に結びつけることができる力が身についたかどうかを評価し受講生に伝えることはとても難しいと言うのです。
確かにその通りです。研修デザイン者や講師の力量によってはスルーしてしまっていることも多いのではないでしょうか。
でもそれでは、研修の責任を果たした事になりません。
難しいように感じる原因は研修のゴール設定が曖昧だからです。
逆に言うとゴール設定を明確にすれば難しくはありません。
例えば、ワークシートを使っている研修だとすれば、どんなレベルで書いてあれば合格か決めておきます。
ワークシートにアクションプランを書かせる研修で説明しましょう。
そのアクションプランにどのような要素がどのようなレベルで書かれていればよいのか事前に定義しておくのです。
想定される(期待する)アクションプランの例を作っておいて提示して、講師がコメントするだけでなく、研修参加者同士で相互チェックさせるやり方も有効でしょう。
期待されるアクションプランの例は、事前に研修参加者の上司や経営者に聞き取り調査を行い、ニーズを把握しておきます。
その二ーズ把握した「期待するアクションプラン例」と研修時に「正当な評価を与え満足感を得るための資料」は同じものを使えるのです。
まさに研修の成果を仮説立案することと同じです。
自分の立てたアクションプランを見て、自分の学習レベルを正当に評価された受講生は、
「受講してよかったな」「よし職場に戻ってやってやろう」
と行動意欲を高めて研修を終えることができることでしょう。
これは一つの例ですが、他の内容であってもワークシートにアウトプットされるべき内容のレベルを予め定義することで評価を正当にできるようになるのです。
それが研修当日のゴール設定となります。
さあ!
『人材育成担当者よ。参加者を正当に評価し満足度を与えよう』
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