2025(令和7)年の年末調整は、「年収の壁」の見直しにより、実務への大きな影響があります。前編では、「『年収の壁』の見直しの改正の概要」と「年末調整に向けて準備しておくべきこと」について解説いたしました。後編では、「新様式の申告書での記入の具体例や確認のポイント」、「2026(令和8)年度の変更点」、「健康保険の被扶養者の認定基準の見直し」について解説します。


【2025年 年末調整のポイント(後編)】図解:申告書はこう変わる! 2026年は19歳以上23歳未満の「社会保険の壁」変更も

2025年に新様式となる申告書

(1)給与所得者の特定親族特別控除申告書

2025年の年末調整関係書類で追加される申告書は、「給与所得者の特定親族特別控除申告書」です。新たに1枚の申告書とするのではなく、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を兼ねる様式となりました(図1参照)。

特定親族(19歳以上23歳未満で合計所得58万円超123万円以下、所得となるものが給与収入のみなら123万円超188万円以下)の合計所得の見積額から控除額を算出できる申告書になっています。
令和7年新様式:特定親族特別控除申告書

(2)源泉徴収票・給与支払報告書

その他には、「給与所得の源泉徴収票」、「給与支払報告書」が新様式になります。“控除対象扶養親族等の数”に特定親族特別控除の対象の人数を記載し、“特定親族特別控除の額”を記載する欄が追加になりました。年末調整後は新様式の源泉徴収票で従業員に交付します。

なお、海外に転出し非居住者になる方について、11月30日までに年末調整をした場合は、2024(令和6)年までの旧様式で源泉徴収票を交付しますが、2025年の新様式で交付しても差し支えありません。


令和7年以降新様式:源泉徴収票

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