人事業務の効率化や情報管理のセキュリティ向上が強く求められる今、手作業やアナログの管理方法では、煩雑な作業や確認・集計の負担が増し、時間と労力ばかりがかかってしまう。そうした課題を一気に解決できるのが「人事管理システム」だ。人事・労務の業務を自動化することによって、ミスや手間を大幅に削減できる。それだけでなく、蓄積された人材データを活用することで、人材配置の最適化やスキルの可視化が可能で、戦略的な人事施策の策定にも役立てることができる。ただし、「人事管理システム」にはさまざまな種類があり、自社に適したサービスを見極める必要がある。そこで本稿では、「人事管理システム」の主な機能や導入メリットに加え、タイプ別の選び方を解説しつつ、編集部おすすめのサービスを4つ紹介する。

「人事管理システム」とは

「人事管理システム」とは、採用管理や勤怠管理、給与計算、人事評価、労務手続きなど、人事業務全般を一元的に管理・自動化できるITシステムだ。紙やExcelなどで管理していた情報をデータベース化し、業務効率化を図るだけでなく、ミスの防止や情報の可視化も可能となる。

人事業務は多岐に渡るため、活用すべき機能の優先度は企業によって異なる。以前は大企業を中心に多機能型の導入が主流であったが、近年は機能を選べるクラウド型の登場により、コスト負荷が大きくなりがちな中小企業でも導入が増加している。

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「人事管理システム」の主な機能

「人事管理システム」の代表的な機能としては、出退勤や有給休暇などの「勤怠管理」、従業員の情報を一元管理する「人事管理」、社会保険や雇用保険の手続きを効率化する「労務管理」、給与計算や明細発行を自動化する「給与計算」、従業員の目標管理や評価フロー管理をする「人事評価」、従業員のスキルや経験を可視化・管理する「タレントマネジメント」などがある。

種類 説明 主な機能
勤怠管理システム 従業員の出退勤の時刻を記録・管理するシステム。残業や休日出勤にも対応し、出勤状況の把握や給与計算の効率化に役立つ。 出退勤時刻の記録・管理
残業時間・法定労働時間の管理
直行・直帰、外出、出張の管理
休日・休暇の管理
シフト作成
人事管理・労務管理システム 従業員の入社・退職手続きや給与計算、各種申請業務を支援するシステム。人事情報や勤怠データと連携し、労務の効率化と正確化を実現する。 入社・退職・異動などの手続き
従業員情報の管理
各種申請の管理
社会保険・雇用保険など法定手続きの管理
組織図の作成・管理
給与計算システム 勤怠データをもとに給与や手当、控除額などを自動で計算するシステム。残業代や所得税、年末調整などの複雑な計算も正確に処理できる。 給与・賞与・各種手当の自動計算
所得税・住民税・社会保険料の自動計算
年末調整の処理
給与明細の発行
採用管理システム 応募者を管理し、求人から選考、採用までのプロセスを効率化するシステム。採用フローの管理や書類管理を自動化できる。 応募者情報の管理
選考の進捗管理
面接日程調整・連絡管理
採用時の手続き
求人票の作成
人事評価システム 従業員の業績や評価を管理するシステム。評価データを人材育成や人員配置に活用できる。 目標設定・進捗管理(MBO、OKRなど)
評価シートの作成・承認
資格取得、スキルアップ状況の管理
評価フローの管理
昇給・昇格判定の支援
タレントマネジメントシステム 従業員のスキルやキャリア情報を管理し、最適配置や後継者・リーダーの育成を支援するシステム。採用から評価、育成までの人事データを統合的に管理できる。 従業員のスキル、キャリア情報のデータベース化
スキルマップ・人材配置のシミュレーション
後継者・リーダー候補の育成計画管理
人材育成・研修管理(受講履歴・進捗管理)
従業員エンゲージメント調査

「人事管理システム」のメリット

「人事管理システム」を導入することで、どのようなメリット・効果が得られるのか、解説していく。

●労務手続きの自動化・効率化

入退社や社会保険、雇用保険の手続き、給与計算など、煩雑な労務手続きを自動化できるのが、「人事管理システム」の最大のメリットだ。書類作成から申請・受理、データ転記などの手間を効率化し、人的ミスも防止することができる。法改正への対応も自動でアップデートしてくれるサービスもある。

●従業員・組織情報の一元管理

「人事管理システム」によって、従業員の基本情報、経歴・スキルといった情報を一元管理できる。情報の検索や更新、分析、情報共有もスムーズになり、組織変更や人事異動時もスピーディーに検討できる。

●人事評価の効率化と精度向上

目標設定や評価フロー、進捗管理を一元化できる。基準を統一しやすくなるため、公正な評価につながり、従業員の納得感を得られる。また、評価結果を基に人材育成や配置も考えていける。

●情報セキュリティ・個人情報保護の強化

マイナンバーや給与情報などの人事情報の取り扱いには、細心の注意を払う必要がある。「人事管理システム」には、アクセス制限やログ管理、暗号化などの機能が付いており、不正アクセスや情報漏洩リスクを最小限に抑えることができる。

●戦略的な人事施策の実行

「人事管理システム」に蓄積される従業員のスキル情報や評価データは、人材配置や採用計画、研修施策といった人事施策に役立てることができる。データに基づいて客観的に判断できるため、より戦略的で精度の高い人材戦略の立案が可能となる。

「人事管理システム」のタイプ

「人事管理システム」には、機能や目的に応じていくつかのタイプに分類される。主なタイプを紹介していきたい。

●総合型(ERP)人事管理システム

総合型(ERP)人事管理システムは、採用から教育、評価、労務管理、給与計算まで、人事業務全般を一括で管理できる。複数の業務を一つのシステムで完結させたい企業や、部署をまたいで情報共有したい企業に最適だ。単一機能での導入やカスタマイズができるシステムもある。

●人事情報一元管理型システム

従業員の情報を集約し、一元管理できるタイプ。人事情報の分散を防ぎ、組織変更や人事異動時のデータ更新も容易になるメリットがある。多拠点での事業所展開や店舗運営など、複数の現場を抱える企業におすすめと言える。

●タレントマネジメント・人事評価特化型システム

人事評価やタレントマネジメントに特化したタイプでは、評価基準の設定や進捗管理、スキルや成果分析、フィードバックを効率的に行える。人材育成や離職防止、ハイパフォーマーの発掘、評価の公平性や納得感を高めたい場合に有効だ。

●労務管理特化型システム

勤怠管理や雇用契約、社会保険・福利厚生手続きといった労務に特化したシステム。法令対応も自動で行えるサービスが多く、煩雑な手続きを自動化することで、担当者の負担を大幅に軽減できる。コストや運用ハードルが低いため、中小企業やスタートアップでも導入しやすい。

「人事管理システム」の選び方

「人事管理システム」を選ぶ際には、目的に応じて以下のポイントを比較して決めていきたい。

●対応業務の範囲

そもそも何のために導入するのかを考慮したうえで、対応業務の範囲を見ていく必要がある。人事業務全体に対応しているのか、あるいは特定の業務に特化しているのかは必ず確認しておきたい。また、アラカルト方式で必要な機能を選べるのか、オプションを追加できるのかも重要になる。

●他システムとの連携

すでに使用している会計システムや、勤怠・給与ソフトなどと連携できれば、データを二重入力する必要もなく、人事情報の共有が可能となる。導入前に、連携可能なシステムの種類や連携方法を確認しておきたい。

●使いやすさ

現場の担当者が迷わずに操作できるUI/UXであるか、マニュアルやヘルプ機能がきちんとあるかは大切なポイントだ。実際の画面イメージやデモを確認し、現場の意見を取り入れることで、スムーズに運用できる。

●サポート体制

システム導入時の初期設定から運用サポート、トラブル対応まで、ベンダーのサポート体制は信頼性を測る指標と言える。問い合わせへの対応の早さや、アップデートやメンテナンスを継続的に行ってくれるかも確認しておくと安心だ。

●セキュリティ・法令対応

「人事管理システム」は、個人情報や機密データを扱うため、アクセス制御や暗号化、ログ管理などのセキュリティ対策が万全であることが必須と言っても過言ではない。また、運用する中で法改正や制度変更にも迅速に自動対応してくれる点も見ておきたい。

「人事管理システム」の費用相場

「人事管理システム」の導入・運用費用はシステムのタイプや導入規模、カスタマイズの有無などによって大きく変わる。クラウド型の初期費用が抑えやすい一方で、オンプレミス型は初期費用が100万円以上かかることもあり、保守・運用費用も別途発生する。自社の予算や運用体制、必要な機能に合わせて、複数のベンダーから見積もりを取り、費用対効果を比較検討すると良いだろう。

【形態別費用相場】
形態 初期費用の目安 月額基本料の目安 保守費用の目安 カスタマイズ費用の目安
クラウド型 初期費用:10~50万円 300~700円/1ユーザー 月額基本料に含まれる 月額基本料に含まれる
オンプレミス型 ライセンス費用:100万円~ なし 年間保守契約により毎年発生 50~160万円


【システムタイプ別費用相場】
システムタイプ 初期費用の目安 月額費用の目安 備考
総合型(ERP)人事管理システム 数百万円~数千万円 数十万円~数百万円 大規模・多機能。オンプレミスの場合は初期費用が非常に高額。クラウド型もあり。
人事情報一元管理型システム 0~50万円 1ユーザーあたり300~800円
1契約あたり2,000~70,000円
クラウド型が主流。初期費用を抑えやすく、月額課金制が多い。
タレントマネジメント・
人事評価特化型システム
0~50万円 1ユーザーあたり220~1,500円
または月額2万~10万円以上
機能・利用人数によって幅あり。無料トライアルや初期費用無料も増加。
労務管理特化型システム 0~30万円 1ユーザーあたり50~1,100円
または月額2,000円~
小規模事業者向けの無料プランも存在。従量課金・定額制どちらもあり。


実際の費用はシステムの機能・規模・ベンダーによって前後するため、上記の表はあくまで目安として参考にしてほしい。

【比較表】編集部おすすめ「人事管理システム」

サービス名
LaKeel HR
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時期・期間
実績社数 非公開
登録者数
対象主要業界 すべてすべて
対象地域 全国全国
対象企業規模 すべて301〜500名501〜1000名1001〜5000名5001名以上
対象主要階層 すべてすべて
対象主要職種 すべて人事・労務法務・コンプライアンス総務・管理部門エンジニア・IT・技術
費用 使用範囲・従業員数によりお見積いたします個別お見積
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