2021年に創業150周年を迎え、「CX(コーポレート・トランスフォーメーション)」、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」、「HRX(ヒューマン・リソース・トランスフォーメーション)」、「業務効率化」を柱とした4つの経営改革を推進中の三菱マテリアル。本講演では、同社 執行役常務人事戦略担当 野川 真木子氏を迎え、管理職層への「職務型人事制度」導入、人材委員会による「次世代経営人材育成」、事業部門の「HRBP設置」など、三菱マテリアルが進めるHRXの取り組みについて、HRエグゼクティブコンソーシアム代表 楠田 祐氏が話を伺った。
三菱マテリアルが進める「職務型人事制度」や「次世代経営人材育成」などの人事トランスフォーメーション変革とは
野川 真木子 氏
講師:

三菱マテリアル株式会社 執行役常務人事戦略担当 野川 真木子 氏

大学卒業後、花王(株)にて営業、人事企画、国際人事を担当。2001年ゼネラル・エレクトリック(GE)に入社。HRリーダーシッププログラムを修了後、日本、アジア・パシフィック地域、中欧・東欧地域のコーポレート部門、金融部門、電力部門のHRBPや人事のリーダーシップ職を担当。2012年日本IBM(株)入社。グローバル・テクノロジー・サービス事業担当 人事理事、IBM米国本社出向、グローバル・ビジネス・サービス事業担当 人事執行役員を経て、2016年スリーエムジャパン(株)にて執行役員人事担当。2021年3月三菱マテリアル(株)に入社、2022年4月より現職。
三菱マテリアル株式会社

楠田 祐 氏
講師:

HRエグゼクティブコンソーシアム 代表 楠田 祐 氏

NECなどエレクトロニクス関連企業3社を経験した後、ベンチャー企業を10年間社長として経営。中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)客員教授を7年経験した後、2017年4月より現職。2009年より年間数百社の人事部門を毎年訪問。人事部門の役割と人事のキャリアについて研究している。2015年は日テレnews zeroのコメンテーターを担当。2016年より、毎週、『Podcast 楠田祐の人事放送局~有名企業の人事部長にズバリ聞く!』(ProFuture)のパーソナリティを務める。リスナー累計250万人(2022年7月時点)。主な著書:『破壊と創造の人事』(Discover 21)、『内定力 2017~就活生が知っておきたい企業の「採用基準」』(マイナビ)
HRエグゼクティブコンソーシアム

三菱マテリアルが推進する「HRX」の目的とは

楠田氏 三菱マテリアルは天然資源を扱ってこられた企業で、岩崎弥太郎さんが創業して今年で151周年になると伺っています。時を経て、今年は「人的資本経営元年」といわれる中で、そのような歴史ある企業が、どのような人事トランスフォーメーションを推進されているのか、オーディエンスの皆さんとご一緒に学びたいと思います。では、野川さん、ご説明をお願いします。

野川氏 まず、三菱マテリアルの会社概要を少しご紹介したいと思います。楠田代表からお話がありました通り、当社は炭鉱や鉱山業を事業のルーツとしています。現在は、銅鉱山、銅製錬の事業を主軸とする「金属カンパニー」を始め、銅加工や電子材料などの「高機能製品カンパニー」、さまざまなものづくりにおいて部品加工に必要な超硬製品を扱う「加工カンパニー」、エネルギー関連や環境リサイクル関連の事業を行う「環境・エネルギーカンパニー」という4つのカンパニー構成でビジネスを展開しています。ビジョンとして「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」を掲げ、社会的価値と経済的価値の両立を図るため、豊かな社会、循環型社会、脱炭素社会の構築に貢献することを目指している企業です。海外進出先の国・地域は31、連結対象子会社は126社を数え、売上高は日本と海外が約半分ずつ。従業員数は単体で6,200名ほど、連結で23,700名ほどとなっています。

当社は2021年に創業150周年を迎えましたが、この先もさらなる成長を目指して推進しているのが4つの経営改革です。最適なグループ経営形態を追求する「CX(Corporate Transformation)」、そして、「DX(Digital Transformation)」、「HRX(Human Resources Transformation)」、「業務効率化」という4つを柱とし、あらゆる側面から当社の変革に取り組んでいるところです。

この4つの経営改革のうち、本日お話しする当社の「HRX」は、変化に適応する自律的な人材の確保・育成に向けた人事制度、働き方の改革を行おうというもので、主な目的は3つあります。
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