6割超の女性が「自ら志望して」管理職に
政府による女性活躍推進の施策が進む中、企業においても女性管理職の登用が重要な経営課題となっている。2025年には、上場企業における女性役員比率の目標が引き上げられるなど、制度面の整備は進んでいるものの、実際の現場ではどのような変化が起きているのだろうか。はじめにジェイエイシーリクルートメントが「もともと管理職になりたいと思っていたか?」と尋ねた。その結果、「とても思っていた」が25.7%、「やや思っていた」が36.5%で、合わせて62.2%と6割以上がもともと管理職を希望していたことが分かった。
そこで、「管理職になりたいと思った理由」について尋ねると、「キャリアアップのため」(49.7%)と「収入を増やしたかった」(45.9%)がともに4割超で多数回答となった。以下、「自分の能力を試したかった」がそれらに続いて27.1%となっている。

「管理職になってよかった」7割以上が前向きに評価
次に同社が、「管理職になってよかったと思うか?」と尋ねたところ、「とてもそう思う」(22.8%)および「ややそう思う」(48.3%)の合計は71.1%となった。なお、全問で“もともと管理職になりたかった”とした人の割合は62.2%だったことから、管理職を希望していなかった人の中にも、管理職になった結果として満足している人が多いと推測できる。
女性が感じる「管理職になってよかった点」は?
続いて、「管理職になってよかったと思う点」を聞くと、「年収が上がった」が50.7%で最多となった。以下、「自分の成長を実感できた」(34.5%)、「社内でのキャリアパスが明確になった」(34.3%)、「意識を持って仕事に取り組むようになった」(32.6%)が3割超で続いており、管理職経験によって女性のキャリア形成における成長実感や自己肯定感が高まる可能性がうかがえた。また、あわせて「管理職であることで生じている悩み」について尋ねた結果、「業務量が多い」が最多の37.2%、以下は「責任の重さに対するプレッシャー(31.3%)、「時間に余裕がない」(29.5%)、「部下の指導・育成がうまくいかない」(26.7%)と続いた。キャリアの充実と引き換えに、精神的・時間的な負担を感じている女性管理職は多いようだ。

4割近くが「管理職を目指して転職」経験あり
次に、「管理職になれる環境がなかったため、管理職を目指して転職した経験があるか?」と尋ねた結果、「ある」とした人が39%と4割に迫った。社内の昇進機会や制度による支援等が十分でない状況が、女性のキャリア形成における障壁となっているケースも多いことがうかがえる結果だ。またこのことから、転職がキャリアチェンジの機会に限らず、キャリアアップのための手段としても行われることが分かった。
管理職でも転職意向は高水準。6割超が「転職を考えたことがある」
最後に同社は、「管理職になってから転職を考えたことがあるか?」と尋ねている。その結果、「とてもある」が26.7%、「ややある」が41%となり、合わせて67.7%が転職を考えたことがあると分かった。あわせて、「転職を考えた理由」についても尋ねると、最多となったのは「ワークライフバランスを見直したい」で37.7%だった。以下、「年収・待遇を上げたい」(29.5%)、「現職での評価や昇進に不満がある」(22.5%)が続いている。管理職としての責任や業務の増加に対し、評価・報酬が見合っていないと感じている人が多いようだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000173.000007720.html
