働き方や企業と個の関係性が大きく変わる中、新たな雇用の形として注目されているのが、ジョブ型採用だ。仕事の範囲を明確にすることで、より専門性を高めるこの採用方式を、今多くの企業が導入し始めている。通信大手のKDDI株式会社でも2020年から職務領域を明確化したジョブ型の新卒採用をスタートさせた。果たしてその狙いは何なのか。そしてどのような特徴があるのか。制度設立の背景や、具体的な取り組み内容などを伺った。

講師

  • 千葉

    千葉 華久子氏

    KDDI株式会社 コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部長

    1994年大学卒業後、国際電信電話株式会社(KDD、現KDDI)に入社。法人営業、衛星通信サービスの企画等を経て、2013年から人事部においてグローバル人財育成を含むグローバル人事施策を推進。2017年4月から人財開発部で採用、異動配置、育成、理念浸透を担当。2018年4月から現職。



  • 曽和

    曽和 利光氏

    株式会社人材研究所 代表取締役社長

    愛知県豊田市出身。京都大学教育学部教育心理学科卒業。株式会社リクルート、株式会社オープンハウス、ライフネット生命保険株式会社など多種の業界で人事を担当。2011年、株式会社 人材研究所を設立。 企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を越える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開する。

KDDI版ジョブ型人事制度導入の背景

KDDIの取り組み紹介(講師:千葉 華久子 氏)

まずは「KDDI 版ジョブ型人事制度」の導入の背景についてご説明いたします。外部環境といたしましては、コロナ禍でデジタル化がさらに加速し、また人生100年時代と言われて久しいですが、今や大企業に入ったら一生安泰という考え方は通用せず、自らの足で生き抜く力を身につけなければいけない、そんな時代に突入しております。一方、弊社の事業といたしましては、昨年3月に「au5G」がスタート。これよって様々な業界・利用シーンでDXが進み、ビジネスも変わってきております。弊社の中では、従来ドメインとしていた通信事業だけでなく、例えば金融や教育、医療、エンターテイメントなど通信以外の新規領域に拡大していくことが必要になってまいりますし、また社外から弊社の技術を用いた DXのニーズも高まっております。こういった中、今までのように通信をやれる人材だけではなく、高い専門性を持った多種多様な人材が必要になってきている状況です。

事業領域の拡大に伴って、人事制度も通信事業仕様からのアップデートが必要になってきました。そこで最高の人財を社内外問わず惹きつけるとともに、そのような人財を育成していく人財ファースト企業への変革を掲げ、昨年度から取り組んでおります。その一環といたしまして、昨年8月にはKDDI版のジョブ型人事制度を導入。またほぼ同時期に、新働き方宣言を策定して、社内DXを推進。この新人事制度と、新働き方宣言、社内DXの三位一体により、時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現を目指しております。

KDDI版ジョブ型人事制度とは?

続きましてKDDI版ジョブ型人事制度の概要について簡単にご説明させていただきます。特徴としましては、「専門能力」+「人間力」の両方を兼ね備えた人財を育成し、「KDDIらしさ」を大切にしながら「ジョブ型の長所」も取り入れることをコンセプトとした制度です。ちなみに「KDDIらしさ」としましては、KDDIの広範な事業領域を活用した多様な成長機会を提供すること、そして専門能力に加え、組織を成功に導く「人間力」の高さを評価することなどが、ユニークなポイントとして挙げられるかと思います。

制度の全体像といたしましては、まずは中心に「KDDI版ジョブディスクリプション」を定めました。こちらは具体的には、30の専門領域を定めて、各領域ごとに求められる職務・スキルを具体化・詳細化しています。またそれに合わせて「自律的なキャリア形成」(自己啓発、社内副業、育成計画)や「報酬制度」、「評価制度」なども変更いたしました。

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