新型コロナウイルスの感染拡大は、結果的に採用のオンライン化を加速させた。例えば、2021年5月の面接のうち、オンライン面接の割合は82.7%にも上っている(マイナビ調べ)。なかでも一部オンライン化という形が主流となっており、リアルとオンラインを組み合わせている企業も多い。とはいえ、リアルとオンラインでは一体何が違うのか。どのように組み合わせれば、より効果的なのか――。その答えを、ビジネスリサーチラボ代表取締役・伊達洋駆氏と神戸大学大学院経営学研究科准教授・服部泰宏氏の対談から紐解いていく。

講師

  • 服部

    服部 泰宏氏

    神戸大学大学院経営学研究科 准教授

    神戸大学大学院経営学研究科准教授。神奈川県生まれ。 国立大学法人滋賀大学専任講師、同准教授、国立大学法人横浜国立大学准教授を経て、 2018年4月より現職。 日本企業における組織と個人の関わりあいや、ビジネスパーソンの学びと知識の普及に 関する研究、人材の採用や評価、育成に関する研究に従事。 2010年に第26回組織学会高宮賞、 2014年に人材育成学会論文賞などを受賞。



  • 伊達

    伊達 洋駆氏

    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役。神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。主な著書に『オンライン採用 新時代と自社にフィットした人材の求め方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『人材マネジメント用語図鑑』(共著、ソシム、近刊)』、『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』(共著、ナツメ社)など。

リアルとオンライン、それぞれの特徴とは?

伊達氏 まずは本題に入るための前提として、リアルとオンラインそれぞれの特徴について話していきたいと思います。服部先生のご意見をお聞かせください。

服部氏 面接にしろ説明会にしろ、人と人とが会ってコミュニケーションを取る際、そこには3つの目的があると思います。1つ目は、目の前にいる人が優秀な人なのか、自社の採用基準に合っている人なのかを見極めるアセスメント。2つ目は、部活は何をやっていたのか、性格はどうなのかといった、その人の能力とは直接的には関係のない、パーソナルな情報を単純に仕入れるための情報収集。そして3つ目は、この会社で働きたい、あるいはこの人を採用したいといった、お互いに熱量を交換し合う動機形成です。

例えば面接の目的を大きくこの3つに分けた時、アセスメントに関しては、リアルでもオンラインでも同様に実施できるでしょう。むしろオンラインのほうが余計なノイズがないぶん、高い精度でフェアに行えるかもしれません。しかし情報収集に関しては、オンラインだとそもそも上半身しか画面に映らないなど、入ってくる情報がどうしても少なくなるため、対面のほうが優れていると言えます。また動機形成に関しても、やはり対面のほうが相手の熱量や息遣いを目の前で直接感じられるので、有利です。こうして考えると、リアルのほうが比較的パフォーマンスは高いと言えるのですが、逆の見方をすると、情報がたくさん取れすぎる、また動機がたくさん伝わりすぎてしまうがゆえに、アセスメントの部分が若干ゆがんでしまう可能性もあり、結局のところ一長一短はあると思います。

伊達氏 オンラインの場合、アセスメントは〇、情報収集と動機形成は非言語の部分が見えにくいので△、ということですね。そうなってくると、オンラインが得意な人とリアルが得意な人が分かれてくるのではないでしょうか。まずリアルの場合、非言語のものも含めて多くの情報が伝わるのが特徴ですが、多くの情報が伝わると誰が得をするのかといえば、例えば、外向的な人(性格が明るい人)です。一方、オンラインの場合は、必ずしも明るい人が得をするわけではなく、むしろ内向的な人の評価が高くなります。

 また「伝達感」といって、お互いに理解し合える感覚はリアルのほうが得やすく、オンラインのほうが得にくいのですが、他方で、「伝達度」といって、実際に情報が伝わった度合いについては、実はオンラインのほうが高いのです。リアルの場合、非言語の情報なども入ってくるので、その分、話している内容に対する注意がそれます。これは企業側にも学生側にも当てはまることですが、オンラインによるやり取りは、感覚で伝達し合うコミュニケーションが得意な人にとっては不利で、情報を伝えることが得意な人にとっては有利でしょう。

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