第9回:「利益を生む社員」と「生まない社員」はインターネット上に何を書き込むか

その働き方改革は利益が出るのか【連載】

「働き方改革によって、余暇の時間を有効に使える」、「クラウドソフトの導入で、単純業務から解放されてよりクリエイティブな仕事ができる」、せっかく会社がこのように労働環境の改善をしても一向に生産性や利益が上がらない、むしろ下がってしまう会社もあります。その理由の一つに、実際にその会社の「社員」が、業務時間内外にどのような行動習慣をとっているかということが起因していると私は思います。

人格は書き込みの内容に引っ張られる

バロメーターの一つに「匿名アカウントによるインターネット上への書き込み」があります。これは今の時代、会社員とかなり密接な関係にあります。

たとえばある会社員は、毎日昼休みになるとすぐに芸能記事やビジネス記事を見て上から目線で酷評したり、中傷を書き込んだりしています。しかし同じ記事でも別の会社員は、全てポジティブにとらえ皆が読んでいて清々しくなるような書き込みをしています。この両者を比べて、どちらが同僚や上司、あるいは部下として一緒に働きたいと思うでしょうか。そして、会社の売上や利益にはどちらの会社員が貢献できそうでしょうか。

以前ある講演会で、「匿名のアカウントを利用して中傷をインターネットに書き込んでいる方はこの会場にいらっしゃらないと思いますが、会社の管理職、あるいは管理職を目指す方であれば、情報が漏洩して実名が発覚した際に大変なリスクになりますので、絶対にそういうことはなさらないでください」と軽い場つなぎのつもりで言ったところ、会場全体が「しーん」となり、その反応に私のほうが驚きました。私が思っているよりも、匿名アカウントで書き込みをしている人達が大勢いるのだと思い知りました。匿名アカウントを持つこと自体は悪いことではないと思いますが、やはり使い方は留意すべきではないでしょうか。

「書き込み」というのは「習慣化」されていきますので、その人自体の人格も書き込んだ内容に引っ張られていくことがあります。つまり軽いストレス解消のつもりで始めたネガティブな書き込みが、次第に習慣化されていき、その人自体も常にネガティブ思考な人格になってしまうということです。その反対に、ポジティブな書き込みを日常的に続けていけば、ポジティブ思考の人格が備わっていくこともあります。

社員をマネジメントする会社側にとっても、自社の社員がどのようなマインドセットを持って日々過ごしているか、どちらのタイプの社員を自社はより多く内包しているのか、そのような視点からも組織を観ていかなければいけない時代であると思います。

著者プロフィール

流創株式会社 代表取締役 経営コンサルタント/作家 前田 康二郎

数社の民間企業で経理総務、IPO業務、中国での駐在業務などを経て独立。現在は「フリーランスの経理部長」としてコンサルタント活動を行うほか、企業の顧問、社外役員、日本語教師としての活動、ビジネス書やコラムの執筆なども行っている。著書は『AI経理 良い合理化 最悪の自動化』のほか、『スーパー経理部長が実践する50の習慣』、『職場がヤバい!不正に走る普通の人たち』、『伸びる会社の経理が大切にしたい50の習慣』『経営を強くする戦略経理(共著)』、『スピード経理で会社が儲かる』、『ムダな仕事をなくす数字をよむ技術』、『自分らしくはたらく手帳(共著)』など多数。節約アプリ『節約ウオッチ』(iOS版)も運営している。また、2020年6月26日に新著『つぶれない会社のリアルな経営経理戦略』が発売された。

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つぶれない会社のリアルな経営経理戦略

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