なぜ日本企業は変われないのか――変革への実践的処方箋
人口減少と労働力不足が深刻化し、多くの企業が「人が集まらない」「優秀な人材が確保できない」という課題に直面している。成果主義やジョブ型雇用、人的資本経営などが注目される中でも、日本企業の根本的な仕組みはなぜ変わらないのか。本書はその理由を「三位一体の地位規範信仰」という独自概念で解き明かす。
石山恒貴氏(法政大学教授)は、「無限定性」「標準労働者モデル」「マッチョイズム」という3つの特徴が組織の硬直化や多様な人材活用を妨げている構造を解説。問題提起だけでなく、「10の提言」など具体的な変革策も示している。人口減・人手不足による経営リスクが高まる今、従来制度の限界を見直し、これからの変革を進めたい企業・実務家に必読の一冊である。

【このような方におすすめ】
〇人事制度改革に取り組む企業の人事・経営層
〇多様な人材活用を推進したいリーダー
〇日本的雇用システムの本質を理解したい実務家
〇組織変革・人材マネジメントの新たなヒントを求める方

【書籍基本情報】
書籍名:人が集まる企業は何が違うのか 人口減少時代に壊す「空気の仕組み」
出版社:光文社(光文社新書 1378)
書籍発売日:2025年9月18日
『人が集まる企業は何が違うのか 人口減少時代に壊す「空気の仕組み」』石山恒貴(著)(光文社)

▼内容紹介

日本企業の仕組みは、なぜ変わりにくいのか。その理由は「三位一体の地位規範信仰」にあり。
三位一体の地位規範とは、無限定性(正社員総合職という働き方に代表される)、標準労働者、マッチョイズムを意味する。成果主義、ジョブ型、人的資本経営など、様々な変革のキーワードがメディアを賑わせてきたが、日本企業の仕組みと日本的雇用の本質は、大きくは変化していない。時代の変化が激しい中で、いま必要な考え方とは何か。組織行動論、越境学習、キャリア形成の研究者が示す、人口減少時代・労働力不足の時代に必要な「10の提言」。
(出版社ホームページより)

▼目次

はじめに
【1章】生産性三原則という神話の誕生
【2章】三位一体の地位規範信仰
【3章】三位一体の地位規範信仰はなぜ時代に合わないのか
【4章】三位一体の地位規範信仰成立の歴史
【5章】三位一体の地位規範信仰はなぜ変わりにくいのか
【6章】従来の処方箋の限界
【7章】変革の処方箋――無限定/限定中立社会へ
[提言1]グランドデザインの明確化
[提言2][企業に対して]本人同意原則の導入――企業が自ら強大な人事権を放棄する
[提言3][企業に対して]無限定/限定の処遇中立化
[提言4][企業に対して]ライフキャリア最優先企業の実現
[提言5][企業に対して]企業のあり方の再定義と日本企業的パターナリズムの放棄
[提言6][企業に対して]ICTを活用して「社員の平等」の強みを活かす
[提言7][企業に対して]入口改革――構成する人材の多様化とオンボーディングの強化
[提言8][企業に対して]出口改革︱定年の見直し、オフボーディングの強化
[提言9][労働組合に対して]無限定/限定の中立化と多様な働き手の包摂
[提言10][国・社会に対して]グランドデザイン(無限定/限定中立社会)の実現
おわりに

▼著者プロフィール

【石山恒貴(いしやま のぶたか)】
法政大学大学院政策創造研究科教授博士(政策学)
1964年新潟県生まれ。法政大学教授。博士(政策学)。NEC、GE、ライフサイエンス領域の会社を経て現職。人的資源管理、組織行動論、越境学習、キャリア形成等を研究。
主な著書に『定年前と定年後の働き方』(光文社新書)、
『日本企業のタレントマネジメント』(中央経済社、第18回経営行動科学学会優秀研究賞)、
『カゴメの人事改革』(共著、中央経済グループパブリッシング、HRアワード2023書籍部門最優秀賞)、
『人材マネジメントの革新』『キャリアブレイク』(ともに共著、千倉書房)、
『ゆるい場をつくる人々』(編著、学芸出版社)、
『越境学習入門』(共著、日本能率協会マネジメントセンター、HRアワード2022書籍部門最優秀賞)などがある。
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