調査レポート

「2016年卒新卒採用 8月調査」結果速報【1】
企業規模に関わらず「新スケジュール」に苦心。既に活動終了する企業は22%

HR総研では、2015年8月21日〜8月27日に上場及び未上場企業の新卒採用担当者に対して「2016年度新卒採用動向調査」を企画・実施した。

「採用選考に関する指針」によって採用活動時期の変更を求められた2016年卒採用だが、8月末時点での企業の採用活動状況をレポートする。

▼「2016年新卒採用戦略策定のための2015年新卒採用徹底解剖CD-ROM」
 お申し込みはこちら

企業規模に関わらず、「2016年卒採用 新スケジュール」に苦心
2016年卒新卒採用が、2015年卒採用と比較してどうだったかを調査したところ、「かなり大変になった」41%、「やや大変になった」29%と、7割の企業が前年度よりも大変であったと回答した。
今年の採用活動スケジュール変更について、中小企業からは、「大手に有利な変更である」という声もあったが、どの企業規模においても「大変になった」という回答が大半を占めている。


〔図表1〕2015年卒採用と比較して、2016年卒採用はどうだったか
「かなり大変になった」と回答した企業からは、

・期間を短縮して選考を進めたので、スケジュール管理が大変だった。(メーカー/1001名以上)
・活動期間が長くなった。選考フローを追加したことで、イベントが多くなった。(情報・通信/1001名以上)
・特に中小企業の動きを陰から大手のリクルーターがかき回しているので、経団連からの通達は完全に形骸化している。またマスコミの煽り方が偏重を生み、学生に蔓延する根拠のない安心感が、全体的に切迫感のなさを生んでいる。 (サービス/1001名以上)
・母集団形成が非常に厳しい状況。また内定出しをしてからの辞退者が多く、先が見えないため、採用活動を進めるのが難しい。今年度の採用活動と次年度のインターンシップが重なってしまいマンパワーが足りない。(サービス/301〜1000名)
・採用スケジュールの変更により、内々定者の辞退数が読めず、いつ選考を終了してよいのかわからない。(メーカー/301〜1000名)
・選考スケジュールに対応できない(他社とかぶる)学生数増加。 (サービス/300名以下)
・学生の動きが見えなかったり、止まったり、と、従来からは想定できない状況が続いている。(商社・流通/300名以下)
・高卒採用とかぶり始めた。(メーカー/300名以下)

等、スケジュールに関するコメントが多く寄せられている。
すでに「選考を終了」した企業は22%、9月終了予定の企業は20%
2016年卒採用の今後の活動施策を聞いたところ、「すでに選考を終了した」と回答した企業は全体で22%、企業規模別に見ても大きな差異はない。
大企業でも「新たにエントリーを受けつける」と回答する企業が45%もあり、企業規模に関係なく、苦戦している様子がわかる。


〔図表2〕2016年卒採用の今後の活動施策
また、2016年卒採用選考活動の終了予定時期を選択してもらったところ、「9月終了予定」が最多回答ではありながら20%に留まり、内定式を迎える10月以降と回答した企業が48%と半数近くを占めている。


〔図表3〕2016年卒採用の今後の活動施策
内定辞退率は上昇傾向
経団連の採用選考に関する指針を考慮し、選考開始時期の繰り下げをする企業もあるが、8月以前から内々定出しをしている企業のほうが多い。8月以前に文系学生への内々定出しをスタートした企業は全体の64%、理系学生への内々定出しをスタートした企業は全体の68%に及ぶ。

だが、内定辞退の発生を鑑みると、採用活動を早期に終了することはできていない。昨年度採用と比較して、16年卒採用での内定辞退率について聞いたところ、「変わらない」が最多回答(全体:35% ※企業規模別の回答は下図参照)ではあるものの、各企業規模において「内定辞退は多い」と回答する企業が、「少ない」と回答する企業の3倍程度存在しており、全体的に辞退率は上昇傾向にあることが明らかになった。


〔図表4〕2015年卒と比較した、内定辞退率増減予測
なお、現状の新卒採用・就職問題について最も問題だと感じることは何か、それをどのように変えるべきだと思うかという問いに対しては、今年の採用活動は「企業・学生双方にとってメリットがなく」、「スケジュールを元に戻すべき」であるという回答が目立った。
【調査概要】
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:2016年卒新卒採用実施企業の採用責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2015年8月21日〜8月27日
有効回答:362社(1001名以上:67社、301〜1000名:121社、300名以下:174社)