株式会社学情(以下、学情)は2022年4月19日、2023年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生(以下、23卒生)を対象に実施した、「就職活動に関するインターネットアンケート」の中から、「選考」についての調査結果を発表した。調査期間は2022年4月6日~12日で、23卒生426名から回答を得ている。これにより、23卒生の就職活動における特徴や考え方が明らかとなった。
23卒生の約半数が「第一志望でない企業には『第一志望』と伝えない」と回答。複数の内々定を持つことに抵抗も

「第一志望でない」ことを正直に伝える学生が約半数に

学情はZ世代の23卒生について、これまでの調査結果から「『競争』よりも『協調』を重んじるといった特徴を持つ」と考えているという。では、就職活動においては、どのような考えを持って取り組んでいるのだろうか。

はじめに同社が、「第一志望でない企業から『当社は第何志望か』と質問された際に、志望順位をどのように伝えるか」を尋ねた結果、「第一志望だと伝える」が49.8%と約半数だった。一方で、「第一志望群だと伝える」が33.3%、「他の企業が第一志望だと正直に伝える」が13.8%となっており、合計47.1%の学生が「第一志望とは回答しない」ことがわかった。

第一志望とは回答しない理由として、「正直に答えたほうが良いと思う」や「嘘はつきたくない」、「その企業が『第一志望なら』と思い自分に内々定を出してくれたら、申し訳ない」などの回答があった。同社は、「企業に誠実に対応したいと考える学生が多い」との見解を示している。
第一志望でない企業に、志望順位をどのように伝えるか

2割以上が「同時に複数の内々定を持つこと」に抵抗を感じている

次に、同社は「同時に複数の内々定を持っていることについて、どのように感じるか」を聞いている。すると、「抵抗がある」が5.6%、「やや抵抗がある」が18.5%で、合計24.1%が何らかの抵抗を感じていることが判明した。

フリーコメントからは、「入社する企業は1社なので、承諾する企業以外は辞退したい」や「内定辞退をするのが申し訳ない」といった声があがった。なお、同社が3月に実施した内々定率調査では、内々定を獲得している学生の平均獲得社数は「2社」なのに対し、平均保有社数が「1.55社」となっていることから、同社は「内々定獲得と並行し、辞退も進めているのではないか」と推察している。
同時に内々定を持っていることをどのように感じるか

23卒生の約4分の3が「セミナー参加後、選考に参加しなかった」経験あり

続いて、「セミナーに参加したものの、選考に参加しなかった企業はあるか」を尋ねた結果、「はい」が75.1%だった。セミナー参加後に、選考に参加するかを改めて検討している学生が多いことがうかがえる。
セミナーに参加したものの、選考に参加しなかった企業はあるか

セミナー参加後に選考に参加しなかった理由は「仕事内容が希望と合わない」が最多

次に同社は、「セミナーに参加したものの、選考に参加しなかった」とした回答者に対し、「その理由」を尋ねている。すると、「仕事内容が希望に合わないと思ったから」が55%で最も多かった。以下、「企業の雰囲気が自分に合わないと思ったから」が51.3%、「志望理由を思いつかなかったから」が28.1%、「他の企業のほうが、志望度が高いと感じたから」が15%などと続いた。
セミナーに参加したものの選考に参加しなかった理由
本調査により、「Z世代」と言われる23卒生の中には、第一志望でない企業にはその旨を正直に伝える学生も一定数いることがわかった。また、「セミナーに参加しても選考に進まなかった」という経験を持つ学生も多いことから、「自身の特性や希望する業務内容」と「企業の事業内容とのすり合わせ」を丁寧に行っている学生が多くいると推測できる。採用活動においては、就活生の意向をしっかりと汲み取ることが求められそうだ。

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