法政大学大学院 政策創造研究科 教授 同経営大学院 教授 坂本 光司氏
フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社 取締役副社長 筑波大学 客員教授 竹村 富士徳氏

企業の1割が社員を大切にする「いい会社」


竹村 本セミナーを聴講される方は、坂本先生の『日本でいちばん大切にしたい会社』やコヴィー博士の『7つの習慣』を読まれた方が多いと思います。日米のベストセラーになった2つの本には共通点があります。それは本日のタイトルにある通り、成果を出し続けるための共通点を探していることです。

『7つの習慣』は米国建国200周年を記念して、建国から200年間のアメリカで成功した人たちの習慣をコヴィー博士が調べて書いた本です。それに対し坂本先生は日本の中小企業に特化して、素晴らしい業績を上げておられる企業の共通項を研究されておられます。日米と対象は違うけれど、『7つの習慣』と近しいところがあると思います。

そこでまずお聞きしたいのは、そのような研究を始められたきっかけです。
坂本 社会人になって40数年経ちますが、中小企業の現場に行く機会が多かったのです。これまでに7000社を訪ねてきました。
たくさんの現場を訪ねると、いろんなことがわかってきます。わかってきたのはとことん人を大切にするいい会社があると言うことです。そんなにたくさんはないが、10社訪ねると1社くらいそういう会社があるのです。だいたい1割ほどが人を大切にし、結果として業績がいいのです。その一方で人を犠牲にする企業もあります。

わたしは人を大切にする企業は日本の宝だと考えました。そういう企業が増えれば不幸な人は少なくなり、自殺者もなくなります。すべての企業がそうなるのは無理だとしても1割の人を大切にする企業を2割に、3割に増やしていかなければなりません。それが研究者としての使命だと思うのです。わたしは本日66歳の誕生日を迎え、そんなに長い時間は残されていません。生きている間に人を大切にする企業を増やしていきたいと思います。

ぶれない会社の経常利益率は5%以上

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