2020年の世界経済フォーラム(ダボス会議)のテーマにもなった「企業はより大きな社会に貢献すべきだ」という考え方はコロナショックを経て、大きく広まった。一方で、価値(利益)を追求しながら成功し続けるという“存在意義(本来のパーパス)”も企業には課せられている。
本書は、その二項対立を両立させ、社会と投資家の双方に利益を生み出す新たなビジネスアプローチが提示する。資本主義の歴史と事例、筆者の経験を踏まえながら実証に基づいて「パイ(価値)拡大のメンタリティ」と「実践するためのロードマップ」が解説されている。

【書籍基本情報】
書籍名:GROW THE PIE ー パーパスと利益の二項対立を超えて、持続可能な経済を実現する
著者:アレックス・エドマンズ
翻訳:川口大輔、霜山元、長曽崇志
出版社:株式会社ヒューマンバリュー
出版日:2023年7月29日刊
GROW THE PIE ―パーパスと利益の二項対立を超えて、持続可能な経済を実現する

内容紹介

「企業は利益のために経営されるべきなのか? それともパーパスのために経営されるべきなのか?」

本書は、現代の企業が対峙するこの命題にについて、その関係性はトレードオフではなく両立可能なものであることを、調査・分析に基づいたエビデンスと事例を紹介して実証している。

具体的には、「パイコノミクス(※)」という考え方を提唱。社会、企業、労働者、消費者、投資家といったステークホルダーが、パイ(価値)を奪い、搾取し合うのではなく、協働して“パイ(価値)そのもの”の拡大を図ることの指針を提供する。

※パイコノミクス
社会に価値を生み出すことを通してのみ、利益が創出されることを目指すビジネスアプローチ。パイコノミクスは企業の社会的責任(CSR)をさらに超えて、企業の責任とは何か、リーダーはいかにビジネスを運営するべきか、企業とリーダーはいかに説明責任を果たすべきかといった、思考の変化までを含む。「パイコノミクス」を実現するための鍵となるのは、「パイ分割のメンタリティ」から「パイを拡大するメンタリティ」への思考の転換である。
(版元ホームページより/HRプロ編)

著者プロフィール

【アレックス・エドマンズ ALEX EDMANS(Ph.D.)】
ロンドン・ビジネス・スクール ファイナンスの教授で、公益を実現するためのビジネスの再構築という分野の第一人者。フルブライト奨学金を得てマサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。ペンシルベニア大学の終身教授、投資銀行モルガン・スタンレーでバンカーを務めた経歴を持つ。
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